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【深発見55】日本と関係が深い幻の王国・伽耶

  • 2022.3.17
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豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、戦場となった東莱(トンネウプ)邑城から近い福泉洞(ポクチョンドン)の古墳群から、1980年代、大量の鉄製武器や甲冑、馬具などが出土された。

この発見には日本でも関心が高まり、テレビで放送されたり、関連本が出されたりして、かなりの騒ぎになった。

というのも古代、伽耶(カヤ)に属するこのエリアは、邪馬台国との関係でも注目されていたからだ。

魏志倭人伝には邪馬台国への道として、朝鮮半島北部の帯方郡から狗邪韓国を通って対馬国、一支国(壱岐)、末盧国(佐賀県東松浦半島付近)、伊都国(福岡憲糸島半島付近)などを経由して邪馬台国に至るとある。この狗邪韓国こそ伽耶とされている。

しかし、高句麗、百済、新羅の3国が覇を競い合う古代の朝鮮半島において伽倻は、その存在がほとんど知られない幻の王国であった。

伽耶の歴史を扱ったドラマ『鉄の王キム・スロ』(写真=MBC 2010 All Rights Reserved)

ところが、1980年代ごろから釜山やその近郊の開発が進むにつれ、遺跡が次々と発掘され、次第にその姿を現すようになってきた。

伽倻、加耶、加羅、任那など、様々な書き方、呼び方がされている伽倻であるが、日本との関係は非常に深い。

1992年には東京などで「伽耶文化展」が開催され、それまでの発掘の成果が紹介されたが、大刀、武具、馬具、装飾品から土器に至るまで、日本で出土された物との類似性に目を奪われた。

また、かつて伊都国であったとされる糸島半島には、加也(かや)山がある。

万葉仮名のように、古代では意味よりも音を重視した表記が多いことを考えると、伽耶と関係があるに違いない。

文・写真=大島 裕史

大島 裕史 プロフィール
1961年東京都生まれ。明治大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、1993年~1994年、ソウルの延世大学韓国語学堂に留学。同校全課程修了後、日本に帰国し、文筆業に。『日韓キックオフ伝説』(実業之日本社、のちに集英社文庫)で1996年度ミズノスポーツライター賞受賞。その他の著書に、『2002年韓国への旅』(NHK出版)、『誰かについしゃべりたくなる日韓なるほど雑学の本』(幻冬舎文庫)、『コリアンスポーツ「克日」戦争』(新潮社)など。

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