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髙橋ひかるさん「嫌だなと思いながら年を取るのって、もったいない」

  • 2022.3.16

女子高生が幽霊の彼氏と紡ぐ日々を描いた「WOWOWオリジナルドラマ 青野くんに触りたいから死にたい」が3月18日から、放送・配信されます。幽霊の青野くんと恋をする主人公・刈谷優里を演じるのはモデルで女優の髙橋ひかるさん(20)。ドラマへの思いや、20歳を迎えて感じていることなどを聞きました。

描かれているのは、新しい愛のかたち

――青野くんと付き合うことになった、地味な高校生・優里。交際から2週間後、青野くんは交通事故で亡くなります。後追いしようとした優里を、幽霊の青野くんが止めて……。優里と幽霊の青野くんの奇妙な生活が始まります。

髙橋ひかるさん: 脚本を読んだ時は、今までに感じたことがないような感情が湧き上がってきました。一見、普通の恋愛なんだけど、実際は好きな人に触れることすらできないわけですよね。その現実を分かっているからこそ、乗り越える方法を考えてみたり、切ない思いをしてしまったり……2人の、すごくまっすぐな気持ちが伝わってきて。これまでの恋愛ものとは違う、新しい愛のかたちだと思いましたね。

朝日新聞telling,(テリング)

――原作の漫画は、キュンとする恋愛モノかと思いきや、突然ホラーのような展開にもなります。

髙橋: 実写化なので、原作ファンの方々に楽しんでもらえるか、不安もありました。空気感も含めて原作に忠実な脚本だから、漫画からヒントをもらうつもりで、たくさん読みました。

漫画、怖いですよね。「この先どうなっちゃうんだろう」ってドキドキするような展開もあって。優里が青野くんに侵食されて、現実世界と異世界があやふやになっていく。何が本当のことなのか分からなくなっていって、目を疑ってしまいました。
読み直して考察してもいいし、友達と解釈を語り合って楽しむこともできます。

好きな人に助けを求められたら、断れない

――優里は天然ぼけで一途。落とした本を青野くんが拾ってくれただけで恋をするような女の子です。

髙橋: 「好きな人のためなら、自分のことなんてどうでもいい」ってくらい、まっすぐ。一見、普通の地味な女の子だけど、そのなかには熱い思いが眠っています。そして青野くんのこととなると、行動力があって、一生懸命で健気。言われた言葉をそのまま受け取ってしまうくらいにピュアな子です。

私も中学時代、落とした本を男の子に拾ってもらったら、恋に落ちたかも……。言葉を文字どおりに受け取ってしまう部分は今もあるので、共感できることばかりでした。

朝日新聞telling,(テリング)

――髙橋さんも、一途なタイプですか?

髙橋: 私も中学生のときは毎日、好きな人のことばかり考えていた時期がありましたね。
優里や青野くんみたいに一途でまっすぐな方って素敵ですよね。私もそうなりたいし、一途に思ってくれるような人と出会えたらうれしい。

この作品では優里が青野くんにどんどん浸食されていくような感じもあって。もしそれが自分だったら、きっとうれしいんじゃないかな。だって、好きな人が困ってて、助けを求めてきたら、断れる自信なんてない。好きな人の望むことに応えたいっていう優里の気持ちがすごくよく分かるんです。

――どんな人に見てもらいたいですか?
髙橋: 普通の恋愛ドラマに飽きていたり、刺激がほしかったりする人に見てもらいたい。恋愛ものに興味がなくても、ホラーが好きだったら楽しめるんじゃないかな。このドラマの魅力って言葉で表すのは難しくて、見てもらわないと分からないんです。1話だけでも見てもらえたら、青野くんの不思議な世界にお連れしますよ。

足りないことを実感してばかり

――髙橋さん自身は、昨年20歳になりました。プライベートなどで感じている変化は?

髙橋: 先に成人した同級生がお酒を飲んでいたので、私も早く飲んでみたかったんです。コロナ禍だから、みんなでワイワイ飲むようなことはなくて、家で唐揚げを作ったときにハイボールを飲んでみたのですが……。実際は、そんなに頻繁に飲みたいものではなかったですね(笑)。おいしさがまだ分からなくて、「炭酸水でいいや」って。お子様舌なのかもしれません。でも、ちょっとだけ大人の階段を登ったような気がしました。

朝日新聞telling,(テリング)

――できることの幅が広がるような実感はありますか。

髙橋: いえ、むしろ足りない部分や、改善していきたいことを実感してばかり。最近バラエティー番組に出させていただく機会が多くて、すごく勉強になっています。「このタイミングで発言するべきだったんだな」とか「ここはしゃべらないほうがよかったな」とか。

プライベートで外に出て遊ぶタイプじゃないので、そもそも人と会話する機会が少ないんです。
バラエティー番組に出てるタレントさんたちって、コミュニケーションのプロ。上手にしゃべる先輩方を見て、楽しみつつも学ぶことばかりだと感じています。

芸能界の先輩方から、「現場が一番勉強になる」って言われてきたから、どんな撮影現場でも「たくさんインプットしよう」という気持ち。今回のドラマでも、周りの演者さんや監督さんから勉強させてもらいました。

自分の発言に責任を持てる30歳になりたい

――telling,の読者は30歳前後の女性。10年後の目標はありますか?

髙橋: これまでモノへの執着が全然なくて、何かを集めたり、残したりしてこなかったんです。お部屋のインテリアなんかも、本当に最小限しか置いていなくて。

今の時代、映像や写真はデータで購入できるから、形として手元に残らないんですよね。でも、子どもができたときに見せてあげられるモノはほしいですね。自分のコレクションを持つことが目標です。

朝日新聞telling,(テリング)

――年を取るのが怖いという人もいます。

髙橋: 「嫌だな」と思いながら年を取るのって、もったいないですよね。今の自分をより向上させて、いい方向に持っていけるような年の重ね方をしたい。活躍している先輩方は実践されているので、かっこいいなと思います。

そのために、色々な役と出会って、監督や演者さんから教えていただいた知識を蓄え、糧にしていきたいです。このお仕事って、作品の一部になれることも面白さだけど、発信力を持てることも魅力。いずれは生放送のラジオで、大きな枠をいただけるくらい、しゃべれるようになりたい。今のうちにたくさん学んで、自分の発言にきちんと責任が持てる30歳になりたいですね。

■奥 令のプロフィール
1989年、東京生まれ。香川・滋賀で新聞記者、紙面編集者を経て、2020年3月からtelling,編集部。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理、銭湯。

■齋藤大輔のプロフィール
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。

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