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自分の心は自分で守る。今日からできるセルフメンタルケア

  • 2022.3.15
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春、環境が大きく変わるという方も多いはず。 進級、進学、就職、引っ越し。よい変化であっても、これまでの日常が“変わる”ということは人にとってストレスとなります。 環境が変化して、しばらくたったころに心身の不調を感じる方が多く、「五月病」という言葉は4月からの疲れが出始めるのが5月ごろということをよく表しています。 今回は、公認心理師である筆者が、不調が表れる前から心がけたい自分でできるセルフメンタルケアについてお伝えします。

1:自分が感じているストレスを自覚して適切に評価する

Sitakke

まず、大事なことはあなた自身がどういうことにストレスを感じているのかを適切に評価することです。 こんなことくらい大丈夫と、自分が受けているストレスを過小評価する方がとても多いのですが、ほかの誰でもないあなた自身が大変だと思っていることをきちんと自覚することはとても大事なことです。なぜなら、自覚ができないと、そこに見合ったケアができないから。 自分より大変な人を見つけて、その人に比べれば自分なんて大変じゃない。自分が弱いだけだからもっと頑張らなくては、と思う必要はありません。 誰に言う必要もないのですから、自分が大変だなと思っていることはありのままに受け入れて、ケアをすることを心がけましょう。

2:大事な人にかける言葉を自分にかける

自分の心をケアするといっても、何をすればいいのかわからない方は多いと思います。他人には優しくても、自分には厳しいのが現代人の特徴です。 今、心理学の世界でセルフ・コンパッションという考え方に注目が集まっています。これは他人を思いやるように自分を思いやり、ケアすることやその方法を指します。 自分が苦しいとき、自分をもっと追い込んで、より苦しめてはいませんか? もしあなたの大事な人が、あなたの立場になって苦しんでいたら、あなたはなんと声をかけますか? どう接しますか? 最初から自分をいたわることが難しければ、目を閉じて、あなたの大事な人が辛そうにしている様子を想像して声をかけてみてください。そのあと、一度目を開けて深呼吸。同じ言葉を自分自身にかけてみましょう。

3:切り替えスイッチを作る

“やるべきこと”をするとき、人はONモードになっています。交感神経が働き、戦闘モードになっているのです。もちろん常にOFFモードというわけにはいきませんから、必要なことです。 けれど、仕事から帰ってきてもいつも仕事のことを考えている。お風呂に入って、リラックスしているつもりでも、湯舟につかりながら今日の失敗を振り返る。寝る前、お布団にいながら、明日のやるべきことを考えている。 これは常にONモードが続いている状態です。すぐに疲れ切ってしまいます。休むべきときにはOFFモードに切り替えることが大事です。

Sitakke

筆者は心理の仕事を続けるにあたって、初心者のころから仕事がおわったら仕事のことは考えないということを徹底しています。最初はうまくできませんでしたが、切り替えスイッチを意識することで、今では自然と切り替えができるようになっています。 切り替えスイッチはなんでもいいのです。職場から出るときに手をたたいて「仕事はおわり」と口に出す。音楽を聴く(筆者は出勤時と退勤時に聴く曲をかえて切り替えていました)。香りを利用するのもいいですね。 ここで仕事は終わり。 ここで家事は終わり。 と自分のなかで区切りをつけるスイッチを作ることをおすすめします。

あらかじめ休み時間を予定に組み込みましょう

がんばれ!といわれて育ってきた日本人。休むこと、自分をいたわることの大切さを知らない人が多いのです。 でも学校でも職場でもかならず“休み時間”がありますよね? きちんと休むことは、次のがんばる場面できちんとがんばるためにとても大事です。 本当はストレスや疲れを自覚して、ケアできればいいのですが、なかなか自覚できない方も多いもの。疲れていないと思っても、休み時間を予定に組み込んで、定期的に自分を癒す時間を計画しておくといいかと思います。

文:竹原 久美子(公認心理師/婦人科クリニック勤務) 【画像】 Graphs、yukicham205、ELUTAS / PIXTA(ピクスタ)

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