原価率が高い大手牛丼チェーンランキング、3位松屋、2位なか卯、1位は？

大手牛丼チェーン4店のなかで、原価率が高い“お値打ち牛丼”を食べられる店舗はどこでしょうか。IR情報などをもとに計算してみました。

「原価率」とは、販売価格に対する原価の割合を示す数字です。原価率が低いほど会社の利益は高くなりますが、消費者にとっては原価率が高いほどお得といってもいいかもしれません。

原価率は「原価÷売上（販売価格）×100」で求めることができます。

「松屋」「すき家」「吉野家」「なか卯」の大手牛丼チェーンについて、原価率を計算してみました。

吉野家ホールディングスの2022年2月期第3四半期決算補足資料によると、原価率は33.5％となっています（牛丼以外のメニューも含まれています）。

松屋フーズホールディングスの四半期報告書(第47期第2四半期令和3年7月1日～9月30日)によると、売上高は451億7,395万4,000円、売上原価は157億5,131万9,000円です。計算すると、原価率は34.86％となります。

「なか卯」と「すき家」を運営しているのは、どちらもゼンショーホールディングスです。決算資料でブランド単体の売上高や売上原価についての記載がないため、牛丼の材料の推定原価を以下のように設定し、売上高の代わりに各店の牛丼並盛の価格を使って原価率を算出しました。

・牛肉約80円
・玉ねぎとたれ約30円
・ご飯約40円
計150円（推定原価）

なか卯の牛丼並盛は430円(税込) なので、原価率は34.88％になります。

すき家の牛丼並盛は400円(税込) なので、上記の推定原価で計算すると原価率は37.5％になります。

計算の結果、原価率がいちばん高い牛丼チェーンは「すき家」という結果になりました。なか卯とすき家は運営企業が同じですが、牛丼並盛の価格が異なるため、計算上では原価率に差が出ています。また、すき家以外の3店は原価率が近い結果になりました。

公表されている数字が牛丼以外のメニューも含んでいる点や、各店舗の牛丼の重量の違いを考慮していない点など、不確定な要素もありますが、牛丼を食べる際には原価率に注目してみてはいかがでしょうか。

文・はせがわあきこ