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絵具が織りなす偶発性を削りとる「アクリル・スクラッチ」の個展開催

  • 2022.3.8

ホワイトストーンギャラリー銀座新館では、蛇目(HEBIME)氏による個展『Re-cogni-thing !』を3月4日(金)~26日(土)の期間に開催している。

アクリル・スクラッチ

幾層にもわたる支持体を自在に堀りだす「アクリル・スクラッチ」を持ち味とする蛇目氏。

しかしながら本人は、新たなその造形を「現代アート」として特に意識していないという。

千差万別の「認識」の在りよう

作家いわく「わける」と「わかる」は同源だという。人間は、わけることでわかったと感じ、また、わかるためにわけようとする。自らの作品が何であるのかは、誰かがそれを見、分類し、理解しようとした結果にすぎない。よって、結果は見られた数だけ無数にある。

絵の具の塊。アール・ブリュット。現代アート。はたまた、それは絵ですらないかもしれない。あるのはモノが認知されるまでの無数のプロセスだ。

蛇目氏の世界が反射するのは、千差万別の「認識」の在りように他ならない。

プロフィール

蛇目氏は、1982年兵庫県神戸市に生まれた。高校を中退後、独学で絵画の研究をはじめる。シュルレアリスムやゴッホに影響を受けつつも、2009年にアクリル・スクラッチという独自の技法に到達した。

何層にも塗り固められ重厚感を増した木製パネル、時には前回の制作物の残滓である絵の具の塊がランダムに混入され支持体が作られる。造形のヴァリエーションは無限であり、初期の具象的造形から近年の抽象的造形及び文様形成まで、作品制作へ向き合う蛇目のたゆみない情熱が見てとれる。

また、作品の魅力のひとつとなっている“色”は、作家本人でさえも次にどのような色が出現するのか分からないという偶然性を持つ。偶発のスリルに刺激される造形意欲と、表現力豊かな削りの技巧が組み合わされた蛇目氏のアクリル・スクラッチは“新造形”であり、鑑賞者に鮮烈な芸術性を吹き込む。

「アクリル・スクラッチ」を持ち味とする、蛇目氏による個展『Re-cogni-thing !』へ足を運んでみては。

■『Re-cogni-thing !』 会場:ホワイトストーンギャラリー銀座新館 住所:東京都中央区銀座6-4-16 営業時間:11:00~19:00 休館日:日曜、月曜

ホワイトストーンギャラリー公式サイト:https://www.whitestone-gallery.com/ja/blogs/artist/hebime

※営業状況が記事の掲載時と異なる場合があります。ご利用時には公式HPなどで最新情報のご確認をお願いします。

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