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80年代好きライターの純喫茶巡り Vol.14 横浜元町「キャラバンコーヒー」でレトロ・ビターなコーヒーゼリーを

  • 2022.3.5
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昭和の喫茶店を紹介しつつ、その店をイメージして聴きたくなる80年代の名曲を80s好きライターの水原空気がレコメンド。Vol.14は横浜元町の商店街にある「キャラバンコーヒー」へ。ハイカラな元町のランドマークで、人気のコーヒーゼリーを堪能。

前回訪れたのは石川町「純喫茶モデル」

横浜元町「キャラバンコーヒー」

全国に多くの店がある「キャラバンコーヒー」。なかでも横浜元町店は、創業の地である馬車道や本社があった山下町の近くに作られた特別な店。開店は1972年。昔から外国人客も多くハイカラな老舗が並ぶ元町商店街にあって、全面ガラス張りの入り口がひときわ目を引く。2015年にリニューアルされているため、レトロさと新しさがほどよく同居する店内。コーヒーが日本に伝えられたのは江戸時代で、長崎の出島からという説が有力。その後、文明開化とともに横浜など港町から全国へと広められた。店にも創業当時の写真が飾られており、歴史を感じずにはいられない。

創業は1928年。1930年代頃からコーヒーは大ブームとなった。

当初の屋号は「ミカドヤ商店」。1970年に「キャラバンコーヒー」に。

西ドイツから最新式の焙煎機も導入し、日本全国へとコーヒーを広めた。

こちらは現在の店内。カラフルなモケットのソファーと水色の飾り壁がアクセント。

コーヒーゼリーなど喫茶店の王道メニューもしっかりと揃っている。特にコーヒーゼリーはフォトジェニックで、コーヒーの深みを食べて味わうことができる。珈琲羊羹サンドイッチもぜひ試して欲しい一皿。さりげないコーヒーのアロマが、クリームとともに口の中に広がる。ピザトーストは厚切りで、ゆで卵付きが嬉しい。コーヒーはこだわりのハンドドリップ。

サクランボの赤とコーヒーの漆黒のコントラストが鮮やか。

厚切りトーストは食パン4枚切り相当。ゆで卵と一緒に元気補給。

珈琲羊羹サンドは当然コーヒーとも相性ぴったり。カップがまた可愛い。

壁に飾られたおなじみの赤いコーヒー缶。

この店の帰り道に聴きたい80年代の名曲

『スラバヤ通りの妹へ』

松任谷由実

今回のおすすめは、ユーミンの『スラバヤ通りの妹へ』。1981年に発表された4曲入りミニアルバム中の一曲だ。アルバムにはアジアの街の景色がいくつも登場し、スラバヤ通りという子供の知識ではとても辿り着けない外国の街のことを、ユーミンに教えてもらった気がしたものだ。横浜は外国の雰囲気がここかしこにある。今は海外旅行もままならない時代だが、この曲から知識の枝をどんどんと広げていったように、もう一度好奇心の旅に出たい。コーヒーのことでさえ、私たちはどれくらい知っているのだろう。

水原空気のひとこと

「キャラバン」という店名は、ラクダの背中に積まれたコーヒー豆の麻袋が、隊商(キャラバン)によってゆっくりと運ばれていた姿に由来する。歩みは遅くてもいいから、しっかりとコーヒーを届けたいという創業者の想いが込められているのだ。名前からして当時のロマンが溢れている。喫茶店チェーンは昭和の頃は幾多あったけれど、今は決して多くはない。だからこそ現在も人気のグループには、「喫茶店が愛されている理由」が凝縮されているのかもしれない。

店名のロゴがまた可愛いのです。

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