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【韓国現代史の悪夢】『二十五、二十一』で描かれた「IMF危機」とは何か

  • 2022.3.2

韓国tvNで放送中のドラマ『二十五、二十一』。ネットフリックスでも同時配信されていて、ナム・ジュヒョクとキム・テリが素敵な青春カップルを演じている。

このドラマの序盤は1998年が舞台になっている。このとき、キム・テリはフェンシングに打ち込んでいる女子高校生ナ・ヒドを演じたが、ナム・ジュヒョクが扮したペク・イジンはアルバイトを掛け持ちする苦学生だった。

彼は裕福な家庭の息子だったが、父親が破産して行方不明になっていた。一家は離散してしまったのだが、その原因が「IMF危機」だ。

韓国でドラマを見ていた人たちはこぞって、苦々しい記憶をよみがえらせたことだろう。なにしろ、「IMF危機」は韓国現代史の悪夢であり、その悪影響を受けた人があまりに多かったからだ。

そこで、具体的に「IMF危機」を説明していこう。

画像提供=tvN
辛い境遇

1997年末に韓国の国家財政は破綻寸前になってしまった。アジア各国を襲った通貨危機は韓国に波及し、大手企業が次々に倒産していく事態となっていたのだ。

韓国ウォンは大幅に下落。外国人投資家がこぞって株式を売却し、韓国の外貨準備高は底をついてしまった。

韓国政府はあせってIMF(国際通貨基金)に緊急融資を要請した。韓国の深刻な不況を見て、IMFは大幅な緊急融資を決定。さらに、世界的な開発銀行がいくつも韓国に融資を行ない、とりあえず国家破産を免れることができた。

とはいえ、IMFが融資の見返りに求めてきた経済改革案は過酷だった。結果的に、さらなる会社倒産が続出し、街に失業者があふれるようになった。

こうした世相を『二十五、二十一』は序盤で描いており、ナム・ジュヒョクが演じるペク・イジンの父親もまさに「IMF危機」の真っただ中で破産の運命を背負ってしまったのである。

ペク・イジンにまで借金取りが押し寄せた。それに対して、彼はひたすら謝ることしかできなかった。このように、本当に辛い境遇に陥ってしまったが、『二十五、二十一』は「IMF危機」の余波をストーリーに巧みに取り込んでいた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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