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身体ナビゲーションVol.67「尿でわかる腎臓からのSOS」

  • 2015.9.4
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

腎臓の働きや増加し続ける腎臓病について前回までご紹介してきましたが、今回は予防のために自分でできるチェック方法をご紹介したいと思います。

●腎臓病の原因は2つのタイプがある

腎臓病の原因として挙げられるものは、大きく2つのタイプに分けることができます。1つは腎臓自体の異常。『腎臓がん』や糸球体に細菌などが感染して炎症を起こす『糸球体腎炎』、腎臓内に結石ができる『腎結石』が挙げられます。

もう1つは糖尿病や高血圧など、他の病気によるものです。いずれも放置すると腎臓の働きは低下の一途をたどり、やがて十分な機能を果たせなくなる『腎不全』に陥ります。腎臓病はある程度まで機能が低下してしまうと、元の状態に戻すのが難しいため、早期に病気を発見することが重要です。しかし、腎臓は異常が起こってもなかなか自分では気づきにくい臓器でもあります。異常をできるだけ早く知るためにも、あらかじめさまざまな危険信号を知っておくことが賢明でしょう。

●尿の正常値チェック項目4つ

●(1)トイレ1回あたりの尿量は?

約150cc~250cc(コップ1杯分)が目安。ただし、個人差がありますが成人では300cc~400ccまでは我慢することができます。

●(2)1日にトイレに行く回数は?

日中は4~7回、夜間は0~1回が正常。ただし気温や発汗、摂取した水分量、緊張などの精神状態によっても変化します。

●(3)1日の総排尿量は?

約1~2Lが正常。ただし正常な場合でも、気温や水分摂取の状態、体調などで変化します。

●(4)1回の排尿にかかる時間は?

約10~30秒が正常。40秒以上かかるようであれば排尿困難。男性なら前立腺肥大の可能性もあります。

●尿の状態チェック項目3つ

妙の色は体内の水分量によって薄くなったり濃くなったりしますが、健康な尿の目安としては薄い黄色から薄い黄褐色をしています。また、臭いもかすかににおう程度で沈殿物や泡立ちがないのが正常だと言われています。以下のような状態の尿には注意が必要となります。

●(a)色

赤っぽい、茶色っぽい……血尿の疑いが。赤っぽい色は赤血球が混じっているため。急性・慢性腎炎の他、腎臓がん、腎臓結石が疑われます。

黄色が濃く泡も黄色い……黄褐色で黄色が濃いときは肝臓や胆道の病気が疑われます。

白く濁っている……感染症の疑いが。濁りの原因は細菌や細菌と戦った白血球の残骸。腎盂炎や膀胱炎が疑われます。

●(b)におい

ツンとするにおい……尿路感染症の疑いが。膀胱炎などで細菌が繁殖するとツンとする刺激臭がします。

甘酸っぱいにおい……糖尿病の疑いが。体内で糖の代謝異常があると肝臓で脂質を多く利用するため、ケトン体と言う代謝物が尿中に出て甘酸っぱい匂いがします。

●(c)状態

沈殿物がある……腎臓結石、尿路結石があると、結石の小さな欠片が混じることがあります。また腎盂腎炎や膀胱炎などの感染症でも沈殿物が混じります。

泡が立っている……腎臓病の疑いが。ぶくぶくとした泡立ちやトイレを流した後も泡が消えないようなときは、タンパク尿が疑われます。

●その他、気を付けるべきこと

腎臓が障害されて、ろ過機能が衰えると、水分をたくさん摂取しているわけでなくても、尿の色が薄くなったり尿量が増えたりします。逆に、水分を十分摂取しているにもかかわらず尿量が減っている場合も、腎機能の低下が疑われます。尿に異常を感じたらできるだけ早く受診をした方がいいでしょう。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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