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日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

  • 2022.3.1

「離島」といえば、沖縄や瀬戸内海のイメージが強いかもしれませんが、日本海側にも注目の離島があります。中でも今回紹介する新潟県の「佐渡島」は、国内においてもトップクラスの大きさを誇る離島。「たらい舟」という独特なアクティビティや、日本最大級の金山にゆかりのあるスポットなど、観光地としての魅力も満載です。

珍しいアクティビティ「たらい舟」を体験しよう

「たらい舟」と聞いてもどういったものかを想像できる方は多くないでしょう。それもそのはず、たらい舟を体験できる場所は日本国内でも限られています。佐渡島はその中でも特に観光用のたらい舟が人気なのです。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

その名前通り、たらい舟というのは、たらいの形をした舟のこと。最初に乗り込むときは特にぐらつきやすいのですが、そのちょっとしたドキドキも、足元に注意しながら魅力の1つとして楽しみましょう。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

なお、佐渡島で最初にたらい舟が作られたのは江戸時代のことと言われており、その歴史は200年以上。そもそもは観光用ではなく、漁をするために作られたと言います。現在でもたらい舟を楽しむことができる「小木海岸」の地形を見るとよくわかりますが、島の沿岸部は入江や急峻な崖のようになっている場所が多く、普通の船では動きづらいのです。その点、小回りがきくたらい舟は、狭い所にも入ってアワビなどの貝類や海藻をしっかり収穫でき、重宝されてきました。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

見事な櫂(かい)捌きで、舟はどんどん進んでいきます。島内にはたらい舟の体験ができる場所がいくつかあるので、ぜひ旅程に組み込んでみてくださいね。

金山関連のスポットは見逃し厳禁

佐渡島で最も有名なのは「金山」でしょう。1601年に開山され、400年近く実際に金や銀が採掘されてきた佐渡島。すでに資源が枯渇してしまってはいますが、かつては日本最大の金山として、大いに賑わっていました。最盛期の島の人口は現在の倍以上もあったほど。関連施設も多く残されており、現在も多くの人が観光に訪れています。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

その中でも、最も人気のあるスポットが「北沢浮遊選鉱場跡(きたざわふゆうせんこうばあと)」です。見応えのある廃墟ということもあり、佐渡島に行ったことがなくとも、写真でこの場所を見たことがあるという方もいらっしゃると思います。ただ、この場所がどういった施設で、なぜこのような廃墟になっているのかを知っている方はかなり少ないでしょう。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

この場所は、山で採れた金や銀を浮遊選鉱(ふゆうせんこう)という方法で選り分けるために造られた施設。もともと銅の製造過程で使われていた技術を金銀に応用したことで、「東洋一の浮遊選鉱場」と呼ばれるようになったとされています。昭和初期に造られましたが、実際に稼働したのは15年ほど。鉱山の縮小に伴って施設も廃止されることになりました。

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そこから70年が経った現在では壁などがほとんどなくスカスカの状態で、緑が茂りかなり年季の入った廃墟として多くの観光客が見に来るほどのスポットに。とはいっても、実はこの場所は単純に年月の経過によって壊れた建物というわけではありません。操業が停止となった後に、中で使われていた大きな機械を取り出す際、屋根や壁を壊す必要があったため、その時に崩された部分も多くあるそう。さすがに崩落の危険があるため、中に入ることはできませんが、かなり近くまで寄ることはできるので、そんな歴史を感じながら見学してみることをオススメします。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

さらに、浮遊選鉱場跡のすぐ近くには「シックナー」という円形の変わった建物も残されています。この建物は水と不純物を分離する装置で、かつてはいくつか建てられていたそうですが、残っているのはこの1つだけ。こちらも下に入ることはできませんが、珍しい建造物なのでぜひ近くで見てみてくださいね。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

また、他の場所に行く前に要チェックなのは、売店にある「金箔ソフトクリーム」です。すでに閉山している金山ではあるものの、島内では金に関連したグッズが多く販売されています。日本一の金山のすぐそばで金箔ソフトクリームを食べる、そんな貴重な経験も浮遊選鉱場跡とセットで楽しみましょう。

海産物の豊富さは、日本海の離島ならでは

最後にオススメするのは、佐渡島のグルメ。イメージ通りではあるかもしれませんが、やはり日本海に浮かぶ離島だけあり、佐渡島で食べるべきは豊富な海産物です。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

海鮮丼といっても、地域によって具材にはかなり違いがありますが、佐渡島の海鮮丼にはネタの種類が多い丼がよく見られます。エビやイクラなど定番のネタはもちろん、貝類も豊富で何種類の具材が使われているのか、パッと見ではわからないほど。また、佐渡沖は隠れたマグロの産地とされており、毎年初夏には新鮮なマグロが水揚げされます。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

また、海鮮丼だけではなく、お寿司も人気。佐渡島を拠点に10店舗以上展開している人気寿司店もあるほどで、新潟市内でも食べられるので、訪問の際にはぜひチェックしてみてくださいね。

離島というには、かなりの大きさを誇る佐渡島。新潟観光の一部として見られることが多い佐渡島ではありますが、その魅力の全てを味わうには1日や2日では足りない可能性も高く、じっくりと長めに滞在しながら楽しみたい場所です。

日本最大級の「金山」に「たらい舟」。独特な文化が残る日本海の離島【新潟・佐渡島】の旅

金山という有名な観光スポットだけではない島の魅力を存分に堪能する旅をしてみてはいかがでしょうか。<text&photo:岡本大樹>

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