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ストレートティーで体重は減るの?

  • 2022.2.27

健康的な食生活はスタイルの維持に役立つけれど、一部の食べものや飲みもので体重が減りやすくなることはあるの? 紅茶、とくにストレートティーは、ダイエット効果が高いことで知られる飲みものの1つ。そこにはれっきとしたエビデンスもある。食品機能専門誌『Food & Function』に掲載された2014年の論文によると、3カ月にわたりストレートティーを1日3杯飲んだ人は、ほかのカフェイン飲料を飲んだ人より体重の増加が少なく、ウエストラインも細くなった。でも、このダイエット効果は時間とともに薄れ、6カ月後には両グループの統計的差異がなくなった。はたしてストレートティーを飲むことで、本当に体重は減りやすくなるのだろうか? 科学者に話を聞いた。

ストレートティーで体重は減る?

アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校の2017年に実験では、マウスに高脂質・高糖質の食事か低脂質・低糖質の食事のいずれかが与えられた。高脂質・高糖質の食事をしたマウスは当然のごとく太ったけれど、その食生活に紅茶パウダーか緑茶パウダーを加えたところ、このマウスの体重は減り、低脂質・低糖質の食事をしたマウスと変わらなくなった。「体脂肪沈着が減ったのは驚くべきことでした」と話すのは、この論文の筆頭著者でアメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校ヒューマンニュートリションセンター栄養学教授のスザンヌ・ヘニング博士。「紅茶および緑茶のエキスによって腸内細菌の種類も変わり、体脂肪が少ない人の腸内細菌のパターンに似てきました」

でも、マウスに効いたことが人間に効くとは限らない。「この実験では高用量のパウダーが使われました」とヘニング博士は警告する。人間が同じ効果を得るためには「強い紅茶が1日6杯必要になるでしょう」。また、もっとも健康によいとされる紅茶の成分はポリフェノール。でも、ヘニング博士によると、ストレートティーのポリフェノール組成は生産方法、茶葉の種類、発酵期間によって大きく異なる。そして、ノンカフェインティーやフレーバーティーの場合は加工度が高い分、ポリフェノールの量が減る。

紅茶と緑茶、どっちのほうがダイエットに向いている?

緑茶の健康効果を裏づけるエビデンスは多数ある。また、緑茶に含まれる化合物は血中に直接吸収されるので、紅茶より緑茶のほうが効果的といえなくもない。ただ、ヘニング博士のチームの話では、効き方が違うだけで紅茶も有益。「分子量が高いストレートティーのポリフェノールは、小腸に吸収されません」とヘニング博士。でも「腸内細菌は、そのポリフェノールを小さな化合物に分解して吸収されやすくする酵素を持っています」。ヘニング博士の実験では、ストレートティーによって熱産生(脂肪をためる代わりに脂肪から熱を作るプロセス)を促す肝臓内物質の活性が高くなった。この変化の原因は特定されていないけれど、ヘニング博士のチームは、腸内細菌によって細かく分解された化合物がなんらかの働きをしたものと考えている。

結論

一晩で私たちのスタイルを変えるような魔法の飲みものではないけれど、健康的な食生活の一部として、甘い飲みものの代わりに無糖のストレートティーを飲むのは名案。でも、ヘニング博士がいうように、ダイエットの大原則は「体が必要とする量以上のカロリーを摂取しないこと」

※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。Text: Kaitlyn Pirie Translation: Ai Igamoto

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