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『はりねずみくんの ゆきだるま』【今日の絵本だより 第275回】

  • 2022.2.25

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

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『はりねずみくんの ゆきだるま』 はらだよしこ/作 講談社 1540円

2月も、そろそろ終盤ですね。 今シーズンの雪の絵本のしめくくりに、こちらの絵本はいかがでしょうか。 『はりねずみくんの ゆきだるま』をご紹介します。

たくさん雪が降った、ある日のこと。 ひつじばぁばは、町から送った小包が無事に家に届くかどうか心配しています。 そんなばぁばの様子を見て、はりねずみくんは 「ぼく、ちょっと そとを みてくるね」 と、外へ飛びだしていきました。 目の前の丘は、あたり一面どこまでも真っ白。 大粒の雪が降る中、はりねずみくんはゆきだるまを作り始めます。 小さな手が冷たく真っ赤になっても、雪の玉が転がせないくらい大きく重くなっても、頑張り続けるはりねずみくん。 どうしてそんなに一生懸命、ゆきだるまを作ったかというと……。

寒くて冷たい中だからこそ、優しさや暖かさがよりいっそう胸にしみる、雪の絵本にはそんな物語が多い気がします。 このお話も、まさにそうした一冊。 はりねずみくんの、ゆうびんやさんの、ひつじばぁばの、みんなの優しさが響き合って、さらに裏表紙までもその優しさがつながっていて、幸せな気持ちでいっぱいに。 柔らかな絵に心地よく包まれるような、心安らぐ絵本時間を過ごせます。

発売中のkodomoe2月号「季節の絵本ノート」では、マフラーの絵本5冊の中で、こちらのシリーズ第一作『はりねずみくんの あかいマフラー』をご紹介しています。 ひつじばぁばのお手製の赤いマフラーは、『はりねずみくんの ゆきだるま』でも大切な役割を果たしています。 ぜひ2冊合わせて、お楽しみくださいね。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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