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長く楽しめる!買って「長持ちする花」3選【元・花屋店員が解説】

  • 2023.4.9
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イラスト:エリ(@flowereriy)

花のある暮らしに憧れて、花屋さんできれいな花を買ったけれど、1〜2日で枯れてしまった経験がある方は少なくないはず。

今回は、元生花店店員で花の魅力を伝えるイラストレーター・エリさんが、花の中でも長持ちしやすい切り花を3つご紹介します!せっかく迎え入れた花、できることなら長く楽しみたいですよね。

花にはそれぞれ特性があるので、特別長く楽しめる種類の花も隠れているんです。今まで知らずに花を買っていた方はもちろんのこと、おさらいしたい方にも必見の内容です。

1、ユリ

■ユリ科(APG分類:ユリ科)ユリ属の総称。
■北半球の温帯に130種分布する。日本には15種分布し、7種が日本特産種である。
■多くは園芸種で、秋植え球根草として栽培される。

ユリはユリ科の多年草。花の種類が豊富で、さまざまな国で古くから愛されています。花屋さんでは、つぼみを複数つけた状態で販売されているので、咲いてゆく過程もあわせて長く楽しめる花です。

買うときは、つぼみにハリがあるもの、葉が下の方まで緑が濃いものを選ぶのがおすすめ。だんだんと咲いてゆく姿を楽しめるのは、自宅に飾れる花ならでは。つぼみから満開を迎える姿を見届ける感動はひとしおです。

また、ユリの花粉はコナを噴く前にプチっと手で取り除いてしまいましょう。こうすると花びらに粉も落ちず、受粉も防げるので長く楽しめますよ。

2.スターチス

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画像:photoAC
■イソマツ科(APG分類:イソマツ科)イソマツ(リモニウム)属の総称。スターチスは旧属名である。
■耐寒性・耐乾燥性の強い一年草または多年草。
■花はごく小さく、分枝のすべてに無数につく。切り花や花壇に使われる。

花らしからぬカサカサとした手触りが特徴的なスターチス。イソマツ科の植物で、比較的寒い時期も得意。ちょっと曇りがかったようなニュアンスカラーもポイントです。これが本当に花?と疑いたくなるような面白みのある花。

スターチスは茎が特に個性的で、ヒラヒラしたひだのようなものが付いています。ここは水に浸かると腐りやすいので、葉と一緒に取り除くと長持ちしてくれますよ。また、ヒラヒラしたものがついていない「ハイブリットスターチス」なども近年はよく見かけます。

そして、花に見えるカサカサした部分は花ではなく、その内側に小さく付いた白い点が花。この部分は枯れても咲いても見た目の影響力は微々たるもの。カサカサした部分はドライフラワーになってもほぼ変化しないため、長く楽しめます

生花の時は食卓に、ドライになったらインテリア代わりにお手洗いなどに置いたりするのもおすすめです。

3.カーネーション

■ナデシコ科の多年草。
■南ヨーロッパ、西アジア原産で日本には江戸時代に渡来し、花壇や切り花用に栽培される。
■茎は直立して高さ三〇~九〇センチメートルになり、上部でよく分枝し、基部は木質化する。葉は対生で線形。

母の日に贈る花として有名なカーネーション。ナデシコ科の多年草で、暑さにも寒さにも強め。フリルのように波打つ花びらがなんともゴージャスです。カラーバリエーションも豊富で、お手頃価格なのも魅力ですが、なんと長持ちもしてくれる花なんです。

購入するときのポイントは、花があまりふわっと開きすぎていないものを選ぶこと。反対に大きく開いて、真ん中から白っぽいおしべが飛び出ているものは、もうそろそろ終わりのサインなので気をつけて。

また、カーネーションは茎が所々ボコッとしています。これは「節」といって、ここに力を入れて持つと簡単に折れてしまいます。持つ際は気をつけて花瓶に入れてくださいね。

おわりに

1年を通して花屋さんで手に入りやすい品種を中心にお届けしました。

切り花を長持ちさせるにはちょっとした手間が必要になりますが、花の特性を知って、長く楽しめる花を選ぶのもひとつの手です。

より花のある暮らしを楽しむために、ぜひ参考にしてみてくださいね。


参考:小学館「精選版日本国語大辞典」「日本大百科全書(ニッポニカ)」



イラスト・監修:エリ(@flowereriy
花の魅力を伝えるイラストレーター。多摩美術大学卒。在学中に生花店に勤務した経験などを活かしてInstagram上で「花のある暮らし」を提案。著書に『毎日が楽しくなるイラスト花図鑑』(彩流社)
編集:TRILLニュース