「旅人算」という文章問題をご存知ですか?
簡単に言えば、2つの動いている人物や物などについて考えていく文章題で、中学入試問題ではメジャーな問題です。
旅人算は、速さ、距離、時間に関する応用問題と言えます。旅人算では動く対象が2人になるため、一気に難しくなりますよね。
それでは、今回の問題を出題します。この問題で動くのは、人ではなくロボットです。
1500mトラックのスタート地点とゴール地点にロボットが向かい合って立っています。ロボットAはスタートから秒速2mで、ロボットBはゴールから秒速1mで同時に歩き出しました。
ロボットAとロボットBは直進できますが、右左折はできないため、2体のロボットが出会ってぶつかる前に動きを止めたいと考えています。さて2体のロボットは、何秒後に出会うでしょうか。
答え
この問題を解くポイントは、2体のロボットが1秒ごとに何メートル近づくかを計算することです。
このときロボットAとロボットBの動きを別々に考えてはいけません。2体のロボットの速さを合わせて捉えるのが重要です。
それでは、答えを発表します。
2体のロボットが出会うのは、500秒後です。
解説
旅人算には、2つの基本パターンがあります。
・2つのものが向かい合ってだんだん近づいていく場合、出会う時間を求める
・2つのものが時間差で同じ方向に進んでいく場合、後から出発した方が最初に出発した方に追いつく時間を求める
今回の問題は、前者の「出会う時間を求める」パターンでした。
まずは、1秒後の動きを考えてみましょう。ロボットAが秒速2mで、ロボットBが秒速1mで進むので、2つのロボットは2+1=3m分近づいたことになります。
1秒後 2体間の距離は1500m-3m
では、2秒後は?
3m×2=6m近づきますね。
2秒後 2体間の距離は1500m-6m
つまり1秒ごとに3mずつ近づいているのです。
1500mの中にどれだけ3mが含まれているかを考えれば、出会う時間が分かります。
1500÷3=500
つまり「1秒に3mずつ近づく」ということを500回を繰り返せば、1500mきっちり進んで2体のロボットが出会うことになります。
ロボットがぶつかるのを止めるには、500秒以内に停止ボタンを押せばよいということですね。
まとめ
いかがでしたか?2つの物が同時に動いている問題は、難しく感じるかもしれません。こんな時は、1秒後にはどうなる?2秒後にはどうなる?と具体的に考えてみましょう。動きの法則が見えてくれば、正解まではあと一歩ですよ。
ライター:veyu
通信制大学にて高校数学教員免許を取得。数検2級にも合格している「数学が趣味の人」。現在は学習ボランティアを通して子どもたちに数学を教えています。算数や数学の問題に潜む「解ける快感」を一人でも多くの人に味わってほしいです。
編集:TRILLニュース