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脳科学者&精神科医が伝授!マスク生活のコミュニケション術

  • 2022.2.23
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教えてくれたのは…

脳科学者

澤口俊之さん

人間性脳科学研究所所長。武蔵野学院大学・大学院教授。研究に邁進する傍ら、「ほんまでっか!?TV」(フジテレビ系)等TVにも多数出演。近著に「老いは脳科学的に素晴らしい」(幻冬舎)。

「マスク生活を逆手にコミュニケーション能力を鍛えよう」

感情の認知に関するある研究結果では、相手の感情を認知する際に重視しているのは欧米人の場合は顔の下半分、つまり口元、それに対して日本人の場合は上半分、目のまわりを重視しているそうです。マスクをつけているときに露出しているのは目元。だから我々日本人の場合、マスクで顔半分が隠れていても目元さえニコニコしていれば、相手に好印象を与えることは簡単。

さらに、マスクが日常になったことで、“言葉”でのコミュニケーションに重きを置く人も増えましたよね。そもそも人間が言葉でコミュニケーションを取ろうとする場合、前頭葉など脳のさまざまな部分が活発に働きます。これが脳にすごくいい。表現がどんどん上達していくのです。このように脳科学的には、マスク生活は私たちにとって恩恵ばかり。

ただし“外さない方がいい”というワケではありませんよ。いつか外す日がくれば、マスク生活の間に向上したコミュニケーション能力がさらに活かせますし、すっぴんでもOKなマスクに慣れてしまい、今は外すことを億劫に感じている人でも、ほかの人たちも一斉に外す場合には、短時間でその状況に慣れていく。だから何も怖がることなどないですからね。

森絵梨佳さん
教えてくれたのは…

精神科医

名越康文先生

臨床に携わる一方で、日本テレビの「シューイチ」など、TV番組のコメンテーターとしても活躍。また、完全会員制動画チャンネル「名越康文TV シークレットトーク」も人気。

「自分のどんな感情も受け入れる。それが健やかでいる第一歩」

もう少し先かもしれないし、まもなくかもしれない。まだはっきりとはわからないけど、マスクをはずす日は確実にやってくる。そのことを「うれしい」と思う、逆に「億劫だ」と思う。そのどちらも間違いじゃない。大事なのは自分の感情を責めないことだと思います。実際、マスクで表情の大部分が隠れ、コミュニケーションの難しさを感じる人もいるでしょう。

また、匂い、温度、湿度といった“情報”を感じにくくなることで感覚が鈍ったようなもどかしさを覚える人もいる。以前にも増して閉塞感を感じやすい今、イライラしたり、ふと不安になったなら、朝日を浴びつつ軽く体を動かしてみるのもおすすめ。余裕があるなら散歩を。朝日を浴びることで、セロトニンなどいわゆる“幸せホルモン”と呼ばれる脳内物質が分泌されますし、体を動かすことで自律神経のオン・オフのスイッチもスムーズに切り替えられるようになる。

散歩が難しいならカーテンを開けて朝陽を浴び、熱めのシャワーで背骨をゆっくり温めるだけでも効果がありますよ。ただし、これらも無理にする必要はありません。“やらねば”というストレスになってしまったのでは本末転倒ですから。

森絵梨佳さん

撮影/菊地泰久(vale./人物) ヘアメイク/吉崎沙世子(io) スタイリング/木下夏実(DRAGON FRUIT) モデル/森絵梨佳 取材・文/中川知春 構成/鬼木朋子

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