1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 便利だったのに…ATM横の現金封筒が続々廃止 その理由は?

便利だったのに…ATM横の現金封筒が続々廃止 その理由は?

  • 2022.2.20
  • 63250 views

銀行ATMの横にいつでもあり、無料でもらえる紙製の現金封筒。現金入れとしてはもちろん、他の用途にも使えてなかなか便利です。しかし、最近現金封筒を廃止する動きが加速しています。現金封筒廃止の現状やその理由についてお伝えします。

■現金封筒を廃止する銀行や信用金庫が増えている

近年全国各地で現金封筒を廃止する銀行や信用金庫が増えています。

現金封筒を全面廃止、または予定している銀行・信用金庫には次のようなところがあります。

金融機関名 現金封筒廃止または廃止予定日

金融機関名/現金封筒廃止または廃止予定日
滋賀中央信用金庫/2021年3月31日
京都中央信用金庫/2021年9月30日
京都銀行/2022年1月31日
北國銀行、呉信用金庫/2022年3月31日

そのほかにも、「おかやま信用金庫」など店舗外ATMのみ現金封筒を廃止しているケースもあり、今後その動きが広がる可能性は高いと思われます。

■現金封筒廃止の理由とその背景

複数の金融機関が現金封筒廃止を決めた表向きの理由は「環境保全」です。確かに、ムダな廃棄も多い現金封筒の廃止は、森林資源の保護やごみ対策などの環境保全に貢献するかもしれません。

しかし、現金封筒廃止の背景に「コスト削減」という大きな命題が潜んでいることは間違いないでしょう。

超低金利時代で利息による収益が大きく減っている中、銀行・信用金庫はどこも大幅なコスト削減を迫られています。その一環として制作コストや配布コストがかかる現金封筒がコスト削減のターゲットになったと思われます。

さらにその追い風となっているのがキャッシュレス決済やインターネットバンキングの普及です。これにより、ATM利用者は減少傾向にあり、現金封筒廃止の動きも加速させていると思われます。

■現金封筒だけじゃない!直営ATMや営業店廃止の動きも加速している

ATMをめぐるコスト削減の動きはそれだけにとどまりません。ATM利用者の減少に伴い直営ATM廃止の動きも進んでいます。

たとえば、北國銀行では2024 年 9月までに店舗外ATMの順次廃止を予定しています。

また、他の銀行や信用金庫においても、直営ATMを廃止して共同ATMに移行するなどの動きが大都市圏を中心に広がっています。 ※共同ATM:コンビニATMなど複数の金融機関が共同で利用するATM

さらに、店舗の統廃合によって営業店も数多く廃止されています。今後はさらにその動きが加速し、将来は現金封筒どころか営業店やATMの廃止も進んでインターネットバンキングによる取引がメインになる日が来るかもしれません。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

元記事で読む
の記事をもっとみる