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松屋、大赤字…過去最高売上から一転、2年連続赤字のワケ

  • 2022.2.20
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コロナ前となる2020年3月期の松屋(松屋フーズホールディングス<9887>)の年間売上高は過去最高の1,065億円。経営状態は良好でした。

しかし、新型コロナ流行後の2021 年3月期は売上高が大きく減少、営業利益は大幅な赤字になっています。2022年3月期もまた赤字となる見通しです。松屋2年連続赤字の要因を探っていきます。

■松屋の営業利益は2年連続20億円以上の赤字に

松屋フーズの2021年・2022年3月期第2四半期の営業損失はともに20億円以上でした。

<営業損失>
2021年3月期第2四半期/24億5,500万円
2022年3月期第2四半期/21憶3,600万円

2022年3月期の年間営業利益も赤字となることはほぼ確定しています。

■営業利益連続赤字の要因1:売上高の減少

松屋フーズの営業利益が2年連続の大幅な赤字となる要因として、まずコロナ禍による売上高の減少が挙げられます。感染拡大による休業や営業時間の短縮で来客数が大きく減ったのが売上高に大きく響いているようです。

ここ3年間の第2四半期売上高を比較してみました。

2020年3月期第2四半期(コロナ流行前)/520億9,000万円
2021年3月期第2四半期(コロナ流行後)/449億3,100万円
2022年3月期第2四半期(コロナ流行後)/451億7,300万円

2021年3月期第2四半期はコロナ前より売り上げを落としています。2022年3月期第2四半期も前期より微増したものの、コロナ前には及びませんでした。

■営業利益2年連続赤字の要因2:売上原価の増加

もう一つの要因として、売上原価(食材費等)の増加が挙げられます。

2022年3月期第2四半期の売上原価は、前年同期より3億円以上増加。それに伴い、原価率も前年同期より増えています。

一般的に、飲食店の原価率の目安は30%とされていますが、松屋の原価率はそれ以上です。それも2年連続赤字を招いた要因といえるでしょう。

■営業利益2年連続赤字の要因3:販管費率が高い

もう一つ見逃せないのが販管費率の高さです。

「2022年3月期第2四半期報告書」によれば、松屋フーズは店舗や工場への設備投資、コロナ感染対策、新商品の開発・宣伝、販促キャンペーンに特に力を入れました。

それが原因で販管費が高騰、経営を圧迫する要因となった可能性が高いでしょう。

■松屋の赤字解消のカギとなるのは「販管費」の縮小

松屋フーズは2年連続赤字となる見込みです。しかし、経費を縮小できれば、赤字の早期改善も見込めそうです。

一番のカギとなるのが、売上高の7割を占める販管費の縮小でしょう。客の動向に左右されにくい販管費は、企業努力で縮小できる部分です。そこをどれだけ縮小できるかが、松屋フーズの今後の収益を左右するのではないでしょうか。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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