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「デザインにファンタジーを!」──ウィーンと京都を行き来し、激動の時代を生きた芸術家・上野リチの回顧展へ。

  • 2022.2.16
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上野リチ・リックス《プリント服地[野菜]》1955年頃[再製作:1987年] 京都国立近代美術館
上野リチ・リックス《プリント服地[野菜]》1955年頃[再製作:1987年] 京都国立近代美術館

「デザインにはファンタジーが必要だ」。19世紀末に生まれ、激動の時代を京都とウィーン2つの都市を行き来しながら活躍したデザイナー、上野リチの言葉だ。この言葉が意味するのは“他の影響を受けずに自身と向き合う、そして想像力を発揮して独自性をもって表現することがデザインにおいて必要不可欠なのだ”ということ。

彼女のデザインの特徴は自由な線と生命力溢れる色彩だ。鳥や魚、花や樹木といった身近な自然を組み合わせ、思うままに色を載せた自由気ままな作風は今尚多くの人々を魅了する。

世紀末アート全盛期にウィーン工房のヨーゼフ・ホフマンに師事し、その後、日本からやってきた建築家の上野伊三郎と結婚。京都とウィーンを約一年ごとに往復し、第一線のデザイナーとして活躍した彼女の作品は、ウィーンらしさと京都らしさを自身の中で解釈し昇華させた唯一無二の作風だ。

世の中が戦争へと向かう暗い時代において、“ファンタジー”の素晴らしさを謳歌する彼女の作品は実にタフだ。時代を跨ぎ共感する女性特有のしなやかな強さを感じる上野リチ回顧展は2月18日(金)から5月15日(日)まで。

上野リチ・リックス《プリント服地デザイン[象と子ども]》1943年 京都国立近代美術館
richi_ueno2.jpg上野リチ・リックス《プリント服地デザイン[象と子ども]》1943年 京都国立近代美術館

上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー

期間/2月18日(金)~5月15日(日)

・期間中展示替えあり

会場/三菱一号館美術館 東京都千代田区丸の内2-6-2

開廊時間/10:00〜18:00 (最終入場時間 17:30)

・祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日、開館記念日の4月6日は21:00まで

休廊日/月曜日、展示替えの4月12日(火)

・ただし2月28日、3月21日、3月28日、4月25日、5月2日、5月9日は開館

観覧料/一般 1,900円、高校・大学生 1,000円、小・中学生 無料、マジックアワーチケット(毎月第2水曜日17時以降に限り適用)1,200円

・障がい者手帳提示で半額、 付添1名まで無料

https://mimt.jp/lizzi/ 

Text: Mei Fujita

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