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峯岸みなみさんの原動力はコンプレックス「この顔だからこそ、頑張れたことがたくさんあった」

  • 2022.2.15

タレントや俳優として活動している峯岸みなみさん(29)は、12日からは東京・PARCO劇場で始まったパルコ・プロデュース2022『ロッキー・ホラー・ショー』にも出演しています。昨年5月にAKB48を卒業するまでには、様々なことに悩んだ時期があったそう。年を重ねる中で、感じてきたことを峯岸さんに聞きました。

AKB48の卒業「30歳」にとらわれていた

――峯岸さんは昨年29歳になりました。「20代のうちに結婚したい」など、何かと焦りを感じる人が多い年齢です。

峯岸みなみさん: そういう風潮、ありますよね。「なんで年齢に囚われちゃうんだろう」って、抗いたい気持ちはあります。

年齢なんて関係なく無邪気に楽しくやっていたい、結婚も仕事も30歳を節目と捉えずにいたい。そんなかっこよくて自由な生き方を、みんなに発信する側の人間でありたい。

でも、実際は30を節目と捉えて人生の決断をしている自分がいるんです。私の場合は、AKB48卒業のタイミングも30という数字を強く意識していました。

朝日新聞telling,(テリング)

――なぜ、30歳を意識してAKB48の卒業時期を決めたのですか。

峯岸: 30歳で肩書が「アイドル」の自分が、想像できなかったんです。柏木由紀ちゃんは年上ですが、「ずっとアイドルでいたい」というポリシーがあって続けていて、それはすごいと思っています。

でも私の場合は、もともとアイドルがやりたかったわけではなく、とにかく芸能人になりたかった。だから20代前半のがむしゃらに頑張った時期を過ぎて「今後もポリシー持ってAKB48を続けるぞ」って思えない自分がいたんです。「AKB48の肩書がなくなるのが怖いから」と残る選択をするのは、自分にも、そして何よりAKB48にも悪影響だと考えて卒業を決めました。
「アイドルじゃない世界で頑張っていこう」という節目を、なぜか自然と「30歳」に置いていましたね。

若い子たちがどんどん入ってくるから、「もう自分の居場所はないかも」って感じることもありましたし。

朝日新聞telling,(テリング)

かっこいい大人になりたくて悩んだ20代後半

――20代後半はAKB48卒業のタイミングについて悩んでいたのですね。

峯岸: 「AKB48にいつまで、いるか」という具体的な悩みもあったし、20代前半にはなかった漠然とした不安も出てきたかな。今までのちょっとした悩みの重量が、年齢が上がっただけで増していく感じがしていました。

20歳の時にスキャンダルがあって、坊主にして謝罪して。わがままかもしれないけれど、あれで終わりたくはなかったし、「また一から頑張ろう」と思い再スタートをきったんです。だから20代前半は、とにかくがむしゃらでした。

スキャンダルを機に研究生に降格になりましたが、5年で正規メンバーに戻してもらえたり、世の中の人たちがスキャンダルに徐々に言及しなくなっていったり。誤解を恐れずに言うと“禊ぎが済んだ”というような感覚が、24、25歳くらいの時にはありました。
でも同時に「もっと頑張らなきゃ」っていうエネルギーが切れてしまったんです。「これからは、何をモチベーションに頑張ろう?」って。

AKB48の外の世界を見てみると、かっこいい大人がたくさんいました。アイドルを名乗っていてはできないこともいっぱいあった。例えば今回の『ロッキー・ホラー・ショー』も。
新しい刺激を受けたいな、どうやったらかっこいい大人になれるのかな――そんな悩みを抱え始めたのが20代後半でしたね。

朝日新聞telling,(テリング)

「こんな自分も悪くない」と思えるように

――長年外見についても悩んできたそうですが、ここ数年は「自分の顔が受け入れられるようになってきた」と自ら発信されています。年齢を重ねて認識が変わってきたのですか?

峯岸: 人の外見を見てうらやましくなることは今でもめちゃくちゃあるし、「整形したい」と思うこともあります。

でも、こじつけかもしれないけど、「自分が正統派美人だったら、ここまで頑張れなかったんじゃないか」っていうこともあって。例えばバラエティー番組のお仕事で、評価していただいた時に「もし容姿に恵まれてたら、ここまで力を出せなかったかも」って思うんです。自己肯定感が低いから、「少しでも自分を好きになりたい」というコンプレックスが原動力になっています。だから“この顔の自分だったからこそ頑張れたこと”が、実はすごくたくさんある。そのおかげで世間に今のように認知していただけているんじゃないかな。

評価されたり、肯定してもらえたりすることが少なからずあるから、「こんな自分も悪くないかな」って段々受け入れられるようになってきました。

朝日新聞telling,(テリング)

――telling,読者は30歳前後の女性で、コンプレックスを抱える人も多くいます。

峯岸: 誰かと比べて“憧れのあの子”の真似しようとしても、結局、なりきれないので落ち込みます。だから“自分じゃない誰か”になろうとして時間を使うよりも、自分に一番合うものを探す時間の方が有意義なはず。自分独自の路線で、史上最高の“私”をアップデートしていくことが、自信につながると思いますね。顔の系統とか体形などから、素材を活かせる方法を見つけていくのがいいのではないでしょうか。

それに、自信が持てない人って、自己を肯定することは苦手なのに、周りの人のいいところを見つけるのは上手なんですよね。

そんな周りにいる素敵な人たちが力を貸してくれるようなことがあったとき、それは、「あなたが魅力的な人だからだよ」って思います。「この人たちがそばにいてくれる私なら、大丈夫」っていう自己肯定の仕方も、あるんじゃないかな。

■奥 令のプロフィール
1989年、東京生まれ。香川・滋賀で新聞記者、紙面編集者を経て、2020年3月からtelling,編集部。好きなものは花、猫、美容、散歩、ランニング、料理、銭湯。

■齋藤大輔のプロフィール
写真家。1982年東京生まれ。東京造形大学卒業後、新聞社などでのアシスタントを経て2009年よりフリーランス。コマーシャルフォトグラファーとしての仕事のかたわら、都市を主題とした写真作品の制作を続けている。

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