1. トップ
  2. “尼将軍”小池栄子が「鎌倉殿の13人」で放つ存在感 その背景にあるものとは

“尼将軍”小池栄子が「鎌倉殿の13人」で放つ存在感 その背景にあるものとは

  • 2022.2.12
  • 311 views
小池栄子さん(2021年1月、時事通信フォト)
小池栄子さん(2021年1月、時事通信フォト)

放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜 後8:00)に出演している小池栄子さん。

三谷幸喜さんが脚本を手掛ける同ドラマは、鎌倉幕府2代執権・北条義時(小栗旬さん)を主人公に、野心とは無縁だった若者が権力の座を巡る駆け引きに勝利し、武士の頂点へと上り詰めていく姿を描いたストーリーで、小池さんは義時の姉・北条政子を演じています。

同作での抜群の存在感が注目を集めている一方、バラエティー番組での活躍も光る小池さん。その特徴や魅力について、テレビドラマに詳しいライターの中村裕一さんに聞きました。

バラエティーで培われた力

小池さんは1998年放送のドラマ「美少女H」(フジテレビ系)でドラマデビューを飾り、その後、グラビアアイドルとして活動する傍ら、「ワンナイR&R」(同)、「ジャングルTV ~タモリの法則~」(MBS・TBS系)など数多くのバラエティー番組に出演。現在も「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)、「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」(フジテレビ系)で司会を務めるなど、持ち前のトーク力を生かし、幅広い活躍を続けています。

タレント活動の一方で、2008年に公開された映画「接吻」で「第63回毎日映画コンクール 女優主演賞」「第30回ヨコハマ映画祭 主演女優賞」など数々の賞を獲得。また、2011年公開の映画「八日目の蝉」で「第35回日本アカデミー賞優秀助演女優賞」を受賞し、2015年に出演した舞台「グッドバイ」では「第23回読売演劇大賞 最優秀女優賞」に輝くなど、女優としても高い評価を受け、キャリアを重ねていきました。

テレビドラマでは、これまで「大奥~華の乱~」(フジテレビ系)、「リーガルハイ」(同)、「マッサン」(NHK総合)、「世界一難しい恋」(日本テレビ系)などの話題作に出演し、さまざまな役柄を演じてきた小池さん。中村さんは「女優としてターニングポイントになった作品がある」と話します。

「『鎌倉殿の13人』では、大泉洋さん演じる源頼朝の妻となる北条政子役を、生き生きと魅力的に演じており、かつて『大奥』で演じた、お伝の方(瑞春院)役で見せた存在感が、さらにパワーアップしている印象を受けました。ご自身でも『大奥』がターニングポイントだったと語っているように、そこから女優として飛躍的な成長を遂げていきました」(中村さん)

中村さんは、「鎌倉殿の13人」での小池さんの存在感についても言及しています。

「小池さんが出てくるだけで雰囲気が和らぎ、『何をしてくれるんだろう』という期待とともに人間味あふれるシーンが展開していますが、第2話で八重(新垣結衣さん)と対峙(たいじ)する場面は、彼女自身の持つ気丈な雰囲気と相まって、名シーンとなりました。後に“尼将軍”とまで呼ばれるようになった政子の、現在とのギャップやすごみを、今後どのように表現してくれるのか非常に楽しみです」

また、小池さんには、女優として大きな魅力があると中村さんは話します。

「多くのバラエティー番組で培われた反射神経や適応力が、演技にもフィードバックされているのではないかと考えられます。レギュラー出演中の『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』など、その場その場で最適なリアクションが要求され、かつ瞬発力が問われるバラエティー番組で長年、司会として活躍しているだけあり、コメディータッチのシーンやセリフが随所にちりばめられた、三谷作品の世界に違和感なく、見事にマッチしているのだと思います」

「彼女自身のパーソナリティーを100%うかがい知ることはできませんが、基本的に前向きで、朗らかな性格なのだと思います。もちろん、内面では彼女なりに葛藤や悩みを抱えていると思いますが、それを感じさせない明るさ、ポジティブさが彼女の大きな魅力の一つではないでしょうか」

中村さんは、小池さんの今後についても期待を寄せています。

「視聴者である私たちは、常にバイタリティーあふれる彼女の姿から、見ているだけで元気になるパワーをいつの間にか、もらっていますが、それでいて彼女からは“媚(こび)”を感じません。そんな真っすぐさと柔軟性の絶妙なバランスが、持ち味なのではないでしょうか。

『鎌倉殿の13人』を経て、女優としてさらにステップアップすることは間違いないですし、これから先、より多くの人が彼女に引かれていくと思います」

オトナンサー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる