1. トップ
  2. 第一印象は大事だけど…就職活動時に男性も化粧を使った方がよい?メリットは?

第一印象は大事だけど…就職活動時に男性も化粧を使った方がよい?メリットは?

  • 2022.2.10
男性も就活時に化粧品を使うべきか?
男性も就活時に化粧品を使うべきか?

「化粧品は女性が使うもの」という印象が強いですが、近年は男性が化粧品を購入するケースも増えているそうです。調査会社のインテージによると、2020年の男性の化粧品市場は前年比4%増の373億円で、2016年と比べると12%増加しています。特に10代から20代の若い男性ほど、化粧品に対して強いこだわりを持っているようです。

そんな中、「就職活動時の面接は第一印象が大事」といわれることから、ネット上では「女性だけでなく、男性も就活時に化粧品を使った方がよい」といった意見があります。就活時の第一印象をよくするために、男性も化粧品を使った方がよいのでしょうか。化粧を使うメリットについて、銀座アイグラッドクリニック(東京都・中央区)の乾雅人(いぬい・まさと)院長(美容皮膚科)に聞きました。

不自然な印象与えないように

Q.化粧品の主な種類について、教えてください。例えば、「基礎化粧品」と「メーキャップ」は何が違うのでしょうか。

乾さん「目的が異なります。『基礎化粧品』は肌を健やかに保ち、肌質自体を整えるのが目的で、クレンジングや洗顔料、化粧水、乳液、美容液、クリーム、パックなどが該当します。一方、『メーキャップ』は肌荒れやシミ、シワを隠し、外見を整えるために使う物で、化粧下地やファンデーション、おしろいなどが該当します。

男性向けの市場では、従来は基礎化粧品の売り上げが伸びていましたが、近年はメーキャップがZ世代(1990年代後半から2010年代前半までに生まれた人を指す)の男性から注目されるようになりました」

Q.なぜ化粧品を購入する男性が増えているのでしょうか。

乾さん「『ビジネス上のメリット』のほか、Z世代の男性にとっては、『自分を自由に表現できる』『母親の影響で幼少期から日焼け止めを使用していた』などの理由があると考えられます。また、化粧品を使うと、実際に第一印象がよくなることが多いです。

新型コロナウイルスの流行以前から、男性向け化粧品市場は伸び続けていますが、コロナ禍で、『オンライン会議で自身の顔を認識する機会が増えた』『自分の時間が増えたため、自分磨きに時間とお金を使う機会が増えた』などの要因で、その動きはさらに加速しているようです。衣食住の後に美容に関心が向くのは、世界共通です。当面は男性向け化粧品市場が伸び続けると考えられます。

なお、調査会社のインテージによると、基礎化粧品を購入した男性の中で、40代から60代の男性の約7割が男性向け化粧品を買う一方で、20代男性の約3割が女性向け化粧品を買っているそうです。『品質がよい』『口コミなどが信用できる』など、女性向け化粧品の方が市場として成熟しているため、美容に関心の高い20代男性が使用していると考えられます」

Q.女性だけでなく、男性も就活時に化粧品を使った方がよいのでしょうか。人と会う際に男性が化粧品を使うメリットについて教えてください。

乾さん「基礎化粧品は、清潔感だけでなく、相手や周囲への配慮ができるという信頼感を示す意味で必要不可欠なので、職種、業界を問わず積極的に使用すべきです。一方で、メーキャップは一つの手段として、認識しておく程度でよいと思います。積極的に取り入れるべきかどうかは、志望先の企業にもよると思います。

私は社会人3年目のときに、友人の結婚式のスピーチを引き受けたのですが、その際に人生で一度だけメーキャップを使いました。外科医として前日の夜から当直勤務をこなしていた影響でほとんど寝ることができず、結婚式当日は、血色がとても悪い状態だったからです。そこで、会場のスタッフの人に相談したところ、ナチュラルメークをすすめられ、半信半疑のまま受けたのですが、違和感は全くありませんでした。同席した他の仲間も私が化粧をしていることに気付かなかったと思います。

また、投資系外資銀行に勤務する友人は、成約率(売り上げ)を上げるために、20代前半から美容医療クリニックに通っていました。プレゼンテーションの内容の充実が大前提ですが、誰が伝えるかで成約率も変わると聞きます。第一印象を上げて結果を出すための努力は、称賛されるべきものだと思います」

Q.では、就活時に男性が化粧品を使うときの注意点について、教えてください。

乾さん「『相手に対する配慮、気配りが本質である』という点を押さえてください。『自身のコンプレックスを隠す』『清潔感を保つ』などの理由で基礎化粧品を使用することは、むしろ歓迎されると思います。化粧ではありませんが、ひげ脱毛なども効果的だと思います。

一方で、メーキャップは、男性にはハードルが高い可能性があるので、あくまでも、自然に見える範囲で取り組むのがよいと思います。個性を主張するのは、クリエーティブやアーティスティックな領域では歓迎されますが、通常の企業ではマイナス評価につながります」

Q.化粧品の使い方以外で、男性が就活時の第一印象をよくするためには、どのような対策が求められるのでしょうか。

乾さん「就活時には、清潔感があり、健康的で一緒に働きたいという印象を相手に与えることに注力すればよいと思います。『頭髪や眉毛が整っていない』『ひげのそり残しがある』『服装が適正サイズでない』『靴の手入れが行き届いていない』などは、マイナス評価に直結します。これらは本人の意識次第でどうにでもなるため、事前準備が欠かせません。

一方で、肌がきれいであることは、肌質などにも影響されるため、加点法で評価されます。無理のない範囲で、化粧水やクリームなどを使用することで、就活にも有利になるのではないでしょうか。過度の作りこみは、自意識過剰と誤解される可能性がありますが、適切な美意識は相手への配慮そのものです。

同時に、内面も整えておきたいものです。笑顔や上機嫌でいることは、社会人として必須のスキルです。外見を整えて清潔感を出すことで、初めて得られる自信もあります。内面、外見ともに磨いて、就活を乗り切ってください」

オトナンサー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる