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【レビュー】「王妃たちの運命」は女帝と呼ばれた悪女たちが鍵を握っていた⁉

  • 2022.2.5
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朝鮮王朝時代の王妃は「国母」と呼ばれ、ファーストレディとして女性最高の栄誉を受けた。そういう意味で、男尊女卑が激しかった時代において王妃はあらゆる羨望を独り占めにする存在にも思えた。

しかし、現実は過酷だ。朝鮮王朝にいた42人の王妃の中には、自分に落ち度がないのに廃妃にされたり、大妃(国王の母)に嫌われて死罪になった人もいる。「国母」のわりには、その身分は薄氷の上を歩くようなものだった。

そんな王妃たちの生々しい生き方や起こした事件などを描いているのが、康煕奉(カン・ヒボン)著『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王宮 王妃たちの運命』(実業之日本社)である。

本書には、韓国時代劇で強烈な個性を見せてきた王妃がたくさん出てくる。その中で特に異彩を放っているのが、女帝と称された悪女たちだ。たとえば、11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の妻だった文定(ムンジョン)王后と21代王・英祖(ヨンジョ)の二番目の妻だった貞純(チョンスン)王后である。

康煕奉(カン・ヒボン)著『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王宮 王妃たちの運命』(実業之日本社)
歴史の醍醐味

この2人は幼い国王の後見人になった後に悪政で庶民を徹底的に苦しめた。そんな悪行がまかり通ったのは、朝鮮王朝が極端な儒教国家で王族女性の長老が厚遇されたからだ。

こうした歴史を一つずつ明らかにしながら、本書では王妃たちがいかに権力をほしいままにしてきたかを解説している。しかも、韓国時代劇で定番になっているエピソードをたくさん紹介しているので、時代劇のサイドストーリーのような構成にもなっている。

さらに、本書では人気ドラマ『宮廷女官 チャングムの誓い』『イ・サン』『トンイ』『オクニョ 運命の女(ひと)』『七日の王妃』『王になった男』などに登場する王妃が、果たして史実とどう違うかという視点を取り入れている。読み進めていくと、歴史に出てくる様々な女性たちに興味深くアプローチできて、それだけ歴史の醍醐味を味わえる。

文=「韓ドラ時代劇」編集部

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