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社会人になってからも続いた…祖母からもらった「お小遣い」の思い出【うちの家族、個性の塊です Vol.65】

  • 2022.2.4
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私が小さいころ、父方の祖母の家に行くと、いつも祖母がお小遣いをくれました。

中学生、高校生になると、(今、思えば薄情なことですが…)祖母からもらえるお小遣い目当てで、両親が祖母の家に行くと聞けばついていっていました。

■祖母から当たり前のようにお小遣いをもらっていたけど…!?


しかし、大学一年生になった19歳のときに、祖母の家に行き、当たり前のようにお小遣いをもらって、ふと思いました。


「いったい、いつまで祖母からお金をもらっても、いいのだろう…」

当時、私はアルバイトをしていて、お小遣いをもらわなくても十分な収入がありました。

まだ学生であるうちはもらっていいのか…それとも成人(20歳)になったら、もらわない方がいいのか…。

考えた末、20歳になる来年は、もらうのをやめようと決めました。

翌年、祖母の家に行くと…「はい」と祖母からお小遣いを渡されました。

私は「もう20歳だから、もらえないよ~」と言いましたが、祖母は私の手にお金を握らせました。


私が申し訳なさそうにしていると母から、

「おばあちゃんは、あげることが楽しみだから、もらってあげた方がよろこぶよ」と言われました。

結局、私は次の年もその次の年も祖母からお小遣いをもらい、大学を卒業して社会人になりました。

「さすがに社会人になってまで、お金は受け取れない! 今年からは、祖母がお小遣いをくれても断ろう!」…そう思っていました。

しかしその年・・・祖母は「はい、これ。コーヒー代にしなさい」と5千円札を私にくれました。


結局、祖母の申し出を断わることができず、私はお金を受け取りました。



■祖母に可能な限りお返しはしていたが、少し後悔が残っていた
その後、祖母は私が社会人2年目のときに亡くなりましたが、亡くなるまで私に「コーヒー代」という名目のお小遣いをくれ続けました。

私は社会人になり、自分で稼いでいるのだから、何か祖母にしてあげられることはないかと考え、敬老の日にお花を送ったり、旅行に行ったときは、少しですが祖母にお土産を送ったりしてはいましたが…。


あれでよかったのかと少し後悔が残っていました。

しかし、お葬式のとき、親戚から「おばあちゃんは、サクラちゃんからいろんなものを送ってもらったって本当にうれしそうにしていたよ」と聞き、よろこんでもらえていたなら良かったと思えました。


あれから時がたち、今は自分の子どもたちが、自分の母からお小遣いをもらっている光景をながめる立場になりました。

もらう子どもたち以上に、笑顔でお金を渡している母や義母を見て、


そうか…おばあちゃんもこんな顔していたのか…と、祖母のことを思い出しています。

(SAKURA)

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