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【山鹿】つつじの名所は由緒正しい忠臣蔵の聖地。古墳から西南戦争も:日輪寺

  • 2022.2.3

寒くなると日輪寺に行きたくなってしまう地域特派員のあずきです。 なぜって? 日輪寺はつつじで有名ですが、知る人ぞ知る忠臣蔵の聖地なのです。

忠臣蔵って? 江戸城で吉良上野介を切りつけたことで浅野内匠頭が即日切腹となり、大石内蔵助ら家臣たちが、無罪放免だった吉良を打ち取って仇討ちを果たした後に幕府の命に従って全員切腹したという「元禄赤穂事件」をもとにしたお話が忠臣蔵です。今でも芝居やドラマとして人気です。

水前寺成趣園350周年祭の赤穂浪士による義士行列をご覧になったかたもいらっしゃるのではないでしょうか(大石内蔵助役高良健吾さんのステキさといったらもう!)。

でも、江戸と赤穂の話なんでしょ? なぜ熊本なの? なぜ山鹿なの? 疑問はごもっとも。 まあ、行きましょう。

日輪寺

国道3号線を熊本市方面から登り、山鹿市街地を抜けた日輪寺前交差点を右折。大きな看板が目印です。

日輪寺前交差点
出典:リビングくまもとWeb

駐車場には討ち入りの図が。

討ち入りの絵
出典:リビングくまもとWeb

駐車場に車を置いたらいったん元の道に戻っていただきたいです。この風景だけで日輪寺に来る価値があると筆者は思っています。鐘楼堂の二階に設置された梵鐘は室町時代のもの。

山門
出典:リビングくまもとWeb
赤穂義士の遺髪塔

山門をくぐった先、左手に遺髪塔があります。 吉良邸に討ち入った義士たちは4つの大名屋敷に預けられ切腹しました。リーダー大石内蔵助ら17名が預けられたのが肥後熊本藩細川家。だから熊本なのです。納得ですね。

細川家では、彼らを武士の鑑とし最大限の待遇を施しました。彼らの生活のお世話役を務めた堀内伝(傳)右衛門さんが内蔵助らの遺髪を貰い、知行地山鹿に建てたのがこの供養塔です。

遺髪塔
出典:リビングくまもとWeb

細川家お預けの17人の名前が刻まれています。戒名に「刃」と「剱」の字が含まれているのがわかりますね。じーん(涙) この遺髪塔は地元の方々によって現代まで守られ供養が続けられてきました。そのため赤穂市と山鹿市は平成14年に姉妹都市締結しています。

遺髪塔2
出典:リビングくまもとWeb

堀内伝右衛門夫妻の墓に手を合わせましょう。 伝右衛門さんが残した「堀内伝右衛門覚書」は大石内蔵助らの約50日にわたる細川家での様子を記した貴重な史料とされています。ありがとう伝右衛門さん。

伝右衛門夫妻の墓
出典:リビングくまもとWeb

毎年大石内蔵助らが切腹した2/4には「義士慰霊祭」が行われます。

今年(2022年)は残念ながらコロナの影響で昨年同様関係者のみで行われるそうです(1月時点の情報)。かつては、山鹿の歴史についての講演があり、お蕎麦がふるまわれるなど有意義で楽しいイベントでした。そんな義士慰霊祭を再び見に行ける日がくることを祈ります。

山鹿温泉観光協会に問い合わせると開催状況を教えてもらえます。 https://www.y-kankoukyoukai.com/ 0968-43-2952

日輪寺をお散歩しましょう

遺髪塔のお隣には日輪寺を再興した菊池家12代武時の息女了心素覚尼の墓があります。鎌倉時代のもののようです。

覚尼の墓
出典:リビングくまもとWeb

そして本堂。日輪寺は平安時代に天台宗の寺として開山。鎌倉時代に曹洞宗へ改宗されたという長い歴史を持つお寺です。

本堂
出典:リビングくまもとWeb

日輪寺と言えば、国道3号線からも見える巨大な『おびんずる様』。本堂の左手を上っていくと……おお、大迫力。

おびんずる様
出典:リビングくまもとWeb

おびんずる様は、自分の体の悪いところと同じところを撫でると治してくださるそうですが、空を飛べる特技でもない限り巨大おびんずる様はせいぜい足先しか撫でられません。 ご安心を。直接撫でられる『なで仏様』もいらっしゃいます。

なで仏様
出典:リビングくまもとWeb

赤穂義士遺髪塔参拝記念は、なで仏さまの横でいただけます(500円)。

赤穂義士遺髪塔参拝記念
出典:リビングくまもとWeb
日輪寺の公園内をのんびり散歩

石橋もある! 駐車場の奥です。 湯町橋。地元の石工が地元の石材で作った石橋で、近くの川から移設。このアングルはテンション上がる。

湯町橋
出典:リビングくまもとWeb

日輪寺は西南戦争で薩摩軍の拠点だったそうです。 東京警視庁巡査隊の押川仙太郎さんが「賊軍も新国家の理想のために戦ったのだ」と、うち捨てられた薩摩軍兵士の亡骸を地元の方に頼んで作ってもらった墓があります。ぜひ手を合わせてください。

薩摩軍兵士の墓
出典:リビングくまもとWeb

春には一面つつじが咲き誇る斜面は、今(1月)はちょっと寂しいけれど景色は抜群。

つつじの斜面
出典:リビングくまもとWeb

お賓頭盧様のお顔が近くに。ここからのお顔が好き。微笑みをたたえていらっしゃるように見えます。

おびんずる様の横顔
出典:リビングくまもとWeb

山頂には竜王山古墳。4世紀ごろのもの。

竜王山古墳
出典:リビングくまもとWeb

ここに古墳を作ろうと思った人ナイスセンス! 生憎の曇り空にもかかわらず、この景色。 その後の1700年余りの間で様々な事柄がここで繰り広げられることを、彼は予見していたのでしょうか。

古墳からの風景
出典:リビングくまもとWeb
長い歴史を見つめてきた土地

ここには古墳から平安、鎌倉、西南戦争といった史跡があり、忠臣蔵という史実さを取り混ぜた日本人が愛してやまない物語と関わりの深い土地です。忠臣蔵は12月になるとテレビで関連番組が放送されますが、実は二年近くにわたるお話。日輪寺を散歩しながら、三月には「あぁ、殿が江戸城で刃傷しちゃったか」とか「今頃内蔵助は京都で放蕩三昧だねぇ」とか「雪だな。そういえば討ち入りか」、そして二月には「いよいよ切腹かぁ」と年中いつでも思いを馳せてください。

この日の筆者滞在時間は3時間。久しぶりにのんびりできました。

おまけ

かっこいい自販機

自販機
出典:リビングくまもとWeb

日輪寺 住/熊本県山鹿市杉1607 0968-43-5802 山鹿探訪なび -日輪寺情報ページ- https://yamaga-tanbou.jp/spot/1306/

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