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『おにたくんのおにぎり』【今日の絵本だより 第270回】

  • 2022.2.2

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

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『おにたくんのおにぎり』 はしもとえつよ/作・絵 ひさかたチャイルド 1430円

前回に引き続き、節分にちなんで鬼の絵本をご紹介。 表紙からもうおにぎりが食べたくなる、『おにたくんのおにぎり』です。

おにたくんのおとうさんは、人気のおにぎりやさん。 このたび一家で、雲の上から引っ越してきました。 最初は怖がって遠くからのぞいていた町の人たちも、 「おにの おにぎり にーぎにぎ はっ! パワーを こめて にーぎにぎ はっ!」 楽しそうにおにぎりをにぎるおとうさんを見て、 「ひとつ くださいな。」 「こりゃ うまい!」 と、あっという間に大人気。 恥ずかしがり屋のおにたくんも、おとうさんが持たせてくれたお昼のおにぎりのおかげで、新しい園のみんなと仲良く打ち解けることができました。

そして、おにたくんの園の山登りの日。 おにたくんのリクエスト通り、朝から張り切っておにぎりをにぎるおとうさん。 「おにたの ために にーぎにぎ はっ!」 お弁当箱に4個、おにぎりをつめました。 ところが、起きてきたおにたくんはがっかり。 自分の分だけでなく、園のお友達みんなの分のおにぎりがほしかったのです。 力なく出かけたおにたくんの後から、おとうさんは大あわてで……。

息子のためにいつでも全力投球、なんともほほえましいおとうさん。 豪快で幸せなラストに、ますますおにぎりが食べたくなること間違いなし。 節分といえば鬼退治ですが、この絵本を読んだら、鬼退治なんてとてもとても! 恵方巻のかわりにおにぎりを 「にーぎにぎ はっ!」 と、たくさんにぎりたくなってしまいますよ。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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