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エクササイズ目標達成のカギは「ソーシャル・トレーニング」

  • 2022.2.1
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運動のモチベーションを保つのって結構大変。しかも昨今、家で過ごす時間が増えたことで、フィットネスって1人で取り組むべきものというマインドセットに陥りがち。ほかの人たちと一緒に運動することで自分自身のパフォーマンスややる気が向上するというから取り入れてみるのもいいかもしれない。オーストラリア版ウィメンズヘルスから詳しくみていこう。

運動といえば、ただひたすら疲労困憊して、不屈の精神と持久力を試し、汗をかいた結果をSNSに投稿することが当たり前になっている。なぜこうも早く、人間関係が私たちの生活や地域コミュニティ、そして人とのつながりに重要な役割を果たすことを忘れてしまったのだろう? 人間は社会的な存在。自分を取り巻く人々は、自分自身や運動、そして自分の住む世界との関係性を根本的に形成しているのだ。

女性サイクリング・コミュニティであるChicks Who Ride Bikesは、人間関係を基盤に、自分自身と周囲の人々に自信を与える重要性を意識して設立された。女性たちが、フィットネスの旅をスタートさせることを奨励し、実現できるよう努力している。

運動は孤独な体験である必要はない、とオーストラリアの元オリンピック選手であるキャサリン・ベイツは考える。集団心理には、エクササイズ習慣を高めたり、自信をつけたり、新たな人間関係を育み、長く続くよい習慣を身につけるという、計り知れない価値がある。

「ソーシャル・トレーニング」でパフォーマンス向上

ほかの人と一緒に運動することは、エクササイズを継続しようという気持ちにプラスの影響を与え、そこにどれほどの労力を費やすかの決断をも左右することが研究で明らかになっている。私たちは自分の周りにいる人間の行動に引き寄せられるように行動する。サイクリングレースや集団走行でペースを合わせるように、私たちは自分では気づいていなくとも、集団のスピードに合わせ、場合によって過度の力を出そうとする。

だからといって、ソーシャル・トレーニングは競いあいというわけではない。むしろ、誰かと一緒にトレーニングすることによって、自分自身をコンフォートゾーンから引き出そうとするようになる。

ある種のウェアが特定の活動に最適な理由や(例えば、サイクリングにライクラ生地を着用するのはファッションだけではない!)ケガを避けるためのノウハウなどを理解することを学んだというベイツが、サイクリングというスポーツから学んだ最大のレッスンは、経験豊富なライダーたちの指摘によって、自身の技術や考え方を進化させられたことだという。実際に、誰かと一緒に体験する必要があるのだそう。

友情は一番のモチベーター

サイクリングと共に育ってきたようなベイツ氏だが、母親になり、新たな仕事を始めたことで、モチベーションが大きく下がったという。多くのことに集中できなくなり、フィットネスを優先させることも難しく、大好きなスポーツを再び楽しむにはどうしたらいいのかわからなくなった。

そんななか、インドアサイクリングによって、元気を取り戻したというベイツ。ジムに通うのが好きなら、スピンクラスは確かに選択肢の1つだが、時間に余裕のない女性たちが多忙なスケジュールに低負荷で簡単な運動を取り入れるには、Zwift(ズイフト)のようなアプリでのバーチャルな体験が、時間の制約を考えずにできるソーシャル・トレーニングの第一歩となるだろう。

運動には新しい友人を作ることが一番のモチベーションになる。実際、大人になってから新たなつながりを作るのは容易ではない。多くの人は、仕事仲間や家族、幼なじみとの付き合いに頼ってしまう。しかし、フィットネスグループなどに参加してみると、数だけでなく、多様性においても、友情の輪を広げられる。

Chicks Who Ride Bikesのオンライングループライドは、当初サイクリングをほかの人に紹介する目的で始まったが、すぐにその枠を超えた。Zwiftでのグループライドは、安全で半匿名という形で、人々がつながることができたり、アドバイスを共有して、参加者に力を与えている。

生まれ育ちや近所というつながりではなく、サイクリングという共通の基盤を持つことで、さまざまなタイプの人々とつながることができる。

より深いつながりへ

プロサイクリストとして競技に参加する前は、父や姉と共にシドニー西部のパラマタの街を自転車で走りながら育ったというベイツ。サイクリングはDNAの一部だという。サイクリングは彼女に自信、自由、そしてコミュニティを与えた。レースやグループライドに臨む時には、そのことを意識しているという。子供の頃、サイクリングは父とつながるかけがえのない手段でもあり、今でもその関係を大切にしている。

女性は自分の見た目について精査されることも多く、さらにSNSの到来により、スクリーン上の自分から逃れられなくなった。女性の体は商品として扱われ、運動しなければいけないというプレッシャーを感じることもある。

どんなメディアを見ても、画像処理済みの女性たちが「この商品を購入して、こんな容姿になって、人生をスタートさせよう!」とアプローチしてくるだろう。

ソーシャル・トレーニングは、表面的なものを超えて、エクササイズをアドベンチャー、仲間意識、達成感、相互信頼の一形態として捉えられるようになる。周りの人と交流することで、ネガティブな思考のスパイラルに陥ることなく、ほかの人が頑張っている姿にやる気を感じることができる。

インドアサイクリングは、母親が頑張っている姿を子供に見せることができるというメリットがあると、ベイツは言う。サイクリング中には頑張れと応援してくれるだけでなく、3歳と5歳の娘でさえ、健康であることの意味を理解してくれているそう。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。Text: WH Staff Translation: Asami Akiyama

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