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結婚したら苦労する男性の見分け方【ひとみしょうの男ってじつは】

  • 2022.1.30

自分の母親のことを客観的に見れていない男性と結婚すると、女性は結婚後かなり苦労することになります。
今回はこのことについて、以下に一緒に見ていきたいと思います。

男性は「母のイデア」に恋している

そもそも男性における「理想の女性像」とは、「母のイデア」のことです。現実の「そのお母さん」を「理想」としているのではありません。彼は現実の「そのお母さん」を「もとに」、彼は頭のなかで「理想の女性像」を作り上げるのです。

たとえば、現実のお母さんが心配性の過保護である場合、彼はおおらかで何事にもこだわらない男前の女性を「母のイデア」として心に宿すようになります。そして実際に、そういう女性を恋愛対象とします。

非の打ちどころのない「完璧なお母さん」に育てられたと思っている男性も同じです。人間である以上、「完璧な母親」も「欠落」を持っていますが、彼は頭のなかで「母の欠落」を「なかったこと」にして、「母のイデア」を作り上げます。

いずれの男性に見初めらえても、女性は結婚後かなり苦労します。なぜなら「母のイデア」とは、心の中で組み上げられた「まぼろし」だからです。

つまり、結婚後女性に苦労をかける男性とは、母のイデア「と」恋愛している男性です。いえ、本人は「目の前のこの彼女」つまりあなたと恋愛し、結婚したと思っているのです。しかし、彼は自分の恋愛が母のイデアに支配されていることに気づいていないだけで、実際には「まぼろし」に恋し続けているのです。

旦那が不機嫌になる理由

「まぼろし」に恋し続けている男性は……たとえば、奥さんが料理が下手であれば、不機嫌になります。単にマズイから不機嫌になるのではありません。彼の脳内に宿る理想の母、すなわち母のイデアは、料理上手なのです。

奥さんが仕事で帰りが遅くなっても夫は文句を言います。なぜなら、彼の心を支配している母のイデアは「そういうこと」をしない女性だからです。奥さんが散財しても彼は怒ります。お金を使われるのがイヤなのではありません。彼の母のイデアは散財などしない女性なのです。

つまり、現実の奥さんのふるまいすべてにおいて、彼は「母のイデア」と比較して、良し悪しを決定するのです。言うまでもなく奥さんは大変です。母のイデアという「完璧な女性」と比較されても全然OK!という女性などどこにもいないでしょう。まあ、いるとして、アニメの世界とかでしょう(か)。

結婚したら苦労する男性の見分け方

男の「女性経験」は実母からはじまります。これは男性全員に共通することです。だから、すべての男性が母のイデアを心に宿しています。

しかし、それが表に出てこない男性もいます。つまり、実際の奥さんのふるまいを、母のイデアというまぼろしと比較せず、奥さんを奥さんとして見ることのできる男性がいます。稀ですが、います。

そういう男性と結婚した女性はしあわせです。彼はすなわち「ありのままのあなた」を見、「ありのままのあなた」を愛しているからです。

そういう男性はどう見分けるといいのか?

彼のお母さんに対するふるまいを見ると一発でわかります。

まず、実母の悪口を言う男性はダメ。実母の褒めまくる男性もダメ。実母の悪口を言うでもなく、褒めまくるでもなく、「まあ、おふくろはおふくろなりに頑張って生きているから」と、客観的な言い方(母親をひとりの人格をもつ者として捉えている言い方)をする男性のみが、結婚後奥さんに苦労をかけない男性です。

自分を愛するということ

ただし、そういう男性って、本当に数が少ないです。母のイデアに心が支配されている状況を卒業しようと思えば、私たちは「ひとかどの人」になる必要があるからです。

ここで言うひとかどの人というのは、簡単に言ってしまえば、なんのために自分はこの世に生を受けたのかを、なんとなくであっても知っている人を意味します。すなわち、無理なく「ふつうに」自分を愛せている人のことを言います。そういう人、男女問わず少ないでしょう?

以上のことは、科学の心理学のもととも言われているキルケゴール<心理学>がわたしたちに教えていることです。それを平易に解説している本は少ないので、宣伝になって恐縮ですが、拙著を挙げておきます(『自分を愛する方法』玄文社)。よろしければお読みください。

「ダメ夫」に引っかからずに済む方法をご紹介しています。

(ひとみしょう/作家・キルケゴール協会会員)

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