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カリスマ医に聞く、今の「愛され顔」って?

  • 2022.1.27
Photo_ Kinya
Photo: Kinya

「流行りの顔って、実はありそうでないものなんですよ」。と語るのは、さまざまな世代の女性たちが「美」を求めて訪れることで知られる東京ヒルズクリニックの杉浦功修院長。「20年くらい前までは、確かに流行りの顔がありました。それはたとえば『安室ちゃんみたいになりたい』」といったものです。かつてはヘアスタイルにもそういった”愛され基準”のようなものがありましたから」

そんな「流行りの顔」に変わって、今の女性たちは、より「美のディテール」にこだわるようになったという。その指標を作っているものはといえば、インスタグラムTikTokなどのSNSだ。

「スマホをのぞけば、情報があふれています。自分の目指す美しさのサンプルを見つけやすいし、美しさを表現するための知識の幅も広がりました。その結果、女性たちの美の基準が明らかに変化したのです。今の時代は完全に『ディテール美』の世界。これまではなんとなく『女優の◯◯さんのような顔になりたい』という漠然としたものだった美への願望が、この10年ほどで一気に変わりました。『ここにあるこのシミだけを取りたい』『目のこの部分だけを何ミリ広げたい』と、そのリクエストがかなり細かいものとなったのです。それは、彼女たちが日々目にするメディアが雑誌やテレビではなくスマホになったから。雑誌やテレビと違って、スマホでは写真を大きく拡大してみることができますから」

そして、そんな細かい「ディテール美」を叶えるためのメソッドもまた、著しく発達した。杉浦先生いわく、この10年は美容医療の躍進の10年でもあったという。

「この10年で、医療機器もめざましく発達しました。特にレーザー治療機器はとてもよくなりましたね。それによって施術の幅も広がり、患者様たちはより少ないリスクでより大きな効果を得られるようになりました。それによってニーズも増え、クリニックやドクターの数も増えました。この10年で3倍以上増えているのではないでしょうか。これからはもっと増えると思いますよ。ここ銀座には、今、美容クリニックが何十軒あるかわからないほどです(笑)。そういった流れの中で、患者様たちも『ごく自然に』を追求する方と、『とことん』を求める方とに二極化する傾向も出てきました。特に小さなディテールから組み立てると、いわゆる『やりすぎ』になってしまうことも。もちろんそれを叶える技術を提供することはできますが、僕は『もうこれ以上はやめたほうがいい』『まだその必要はない』などとアドバイスするようにしています。実際の生活ではスマホのように顔を常に『拡大』して見られているわけではありませんからね」

より多くの情報を得て成熟した患者たちが、より発達した医療によって、貪欲に美を求める時代。美容に気を配ることや「心も見た目も若くありたい」と思うことが特殊なことではなくなったこと、そして日本人の平均寿命が延び、女性たちが「まだまだ人生は長い」と気付いたこと……特に40歳以降の年齢の重ね方を考えるようになったことも大きく影響しているのだろう。日本にも美容医療が身近になったことで、これまで「芸能人など特殊な人たち」が「不自然に若返る方法」だとイメージされてきた美容医療も、エステなどと同じように身近なものとしてとらえられる時代が到来したのである。

「アンチエイジングの手段もまた、医療でも化粧品でも、ニーズに合わせてめまぐるしく増え、そして進化しました。ただ、美容外科医の立場から言わせていただくと、高い化粧品を使うならその分を医療機器の力に使ったほうがいい。化粧水は医師の僕から言わせれば水のようなものです。薬剤は入っておりませんのでね(笑)。くすみやシミを薄くしたいなら、化粧品ではなく医療レーザーを使うほうが有効なのは当然です。化粧品は化粧をするための道具であり、美容液だけでは綺麗になれません。高級な美容クリームに10万円を使うなら、同じ金額を美容医療に使うほうが『効果』を感じられるでしょう。しかし、化粧品をうまく使うことで美容医療で得た効果を何倍も美しく見せることはできます。いろいろな選択肢が増えましたから、それを楽しみながら組み合わせていただけたらいいですよね」



なりたい自分になる、という意思が今っぽい。



時代とともに流行する顔があるとすれば、今、支持を集めているのはどんな顔なのだろう?

「今はKPOPスターのようになりたいというリクエストがダントツです。それは男女問わず、ですね。韓国が大好きで、韓国の美容やメイクも好きだ、という方が圧倒的に多いのです。きめ細かな肌、美しい歯並び、シュっとした首、といった『美へのストイックさ』のようなものが、ひとつの美の基準となっているような印象を受けます。韓国人も日本人も同じアジア人なので、顔のつくりの基本は同じ。特徴があるとすれば、顎の骨格でしょうか。KPOPスターたちのように、顎が前方に大きく出る形、下に尖らせる形にしたいという相談も多いですね」

では、ボディについてはどうだろう?

「ボディに関しても、KPOPスターたちのようなストイックな美しさが支持を集めていますね。世界的なフィットネスブームも大きく影響しているでしょう。『まずはジムに行って体を引き締めよう』といった意識は以前より高まっていると思います。また、恋人や好きな人など『男性から見て魅力的なボディ』を目指すのではなく『自分がなりたい体になる』という傾向も強い。昔はそれこそ胸が大きくなりたいといったご相談も多かったものですが、今はむしろ『かっこいいボディになりたい』という方がほとんど。世の中的にも『女性を性の対象として見る』ということ自体がもう、古くナンセンスな考えですから。『水着が似合うように、胸の形を整えたい』『子供を産んで胸の形が変わったので、ヒアルロン酸を入れて綺麗な形にしよう』など、同じ豊胸だとしても、誰かのためではなく、自分のためであることがほとんどなのです」

自分が、自分を幸せにするために美を求める。自分がなりたい体になるという強い意識がある。ありのままの姿を愛すべきというブームがありつつも、自分が求める美を自分なりに追うことだってもちろん自由なのだから。

『外見だけを追求するのはもう時代遅れの考え方かもしれません。しかし、『ありのまま』も素晴らしいけれど、自分が自分らしくいられるためにコンプレックスをなくせたら、それも素晴らしいじゃないですか。ちょっとした変化が心に余裕を生み出し、『綺麗になれた』という実感によって、自信やポジティブな気持ちを得られる。実際に綺麗かどうかよりも、自分が綺麗になったと感じることで得られる幸せのほうが大事なのですから。そして、今、若い世代に支持をされているのも、そういった強さを持っている女性たちでしょう? 自分の人生、自分の美を自分で切り開いていくような強さこそが、今っぽい美しさだと言えるのかもしれませんね」



お話を聞いたのは…

東京ヒルズクリニック 杉浦功修院長

「僕は美容外科医ですが、患者様を『綺麗にしよう』と思ったことは一度もないんです。『幸せにしよう』と思って、日々仕事をしています」と杉浦先生。その真摯な姿勢と優しい人柄、そして確かな技術で著名人たちからの信頼も厚い。

20年以上に渡って大手美容外科で美容医療に携わった杉浦先生が「キレイを楽しんでもらいたい」というポリシーのもとに開院した「東京ヒルズクリニック」。圧倒的に豊富な症例経験と丁寧なカウンセリングによって、肌ケアから最先端のアンチエイジング美容医療までを担うクリニックだ。
20年以上に渡って大手美容外科で美容医療に携わった杉浦先生が「キレイを楽しんでもらいたい」というポリシーのもとに開院した「東京ヒルズクリニック」。圧倒的に豊富な症例経験と丁寧なカウンセリングによって、肌ケアから最先端のアンチエイジング美容医療までを担うクリニックだ。

東京ヒルズクリニック銀座院

東京都中央区銀座5-4-6 ロイヤルクリスタル銀座7階

診療時間:10:00~19:00 ※完全予約制

https://tokyo-hills-clinic.com/

オフィシャルインスタグラム @tokyo_hills_clinic

Editor: Mayumi Nakamura

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