方程式の問題には、うっかりミスをしやすいポイントがいくつか存在します。学生時代には方程式で躓いた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、小数点の掛け算を含む方程式の問題にチャレンジしてみてください!
-0.3(x-2)=0.9
答え
どんな方程式を解くときにも、目指すゴールは「x=●●」という形。
ミスなくこの形に辿り着けたでしょうか。
早速ですが、答えを発表します。
x=-1
でした!
解説
では、間違えやすいポイントに気をつけながら順を追って計算していきましょう。
まず両辺を10倍して小数をなくし、計算しやすくしましょう。
-0.3(x-2)=0.9
10×{-0.3(x-2)}=10×0.9
-3(x-2)=9
ここで注意したいのが、「右辺・左辺ともに10を1回ずつ掛ける」ということ。
-0.3(x-2) に10を掛けるとき、
-3(x-20) と、誤ってかっこの中の数字にも10を掛けてしまわないようにしましょう。
次に、左辺のカッコを外します。
カッコを外すときのルールは「カッコ全体に掛けられた数字をカッコの中の要素それぞれに掛ける」ですから、ここでは-3をカッコ内のxと-2それぞれに掛けます。
-3(x-2)=-3x+6
ここでは
-3(x-2)=-3x-2 と、カッコ内の項の片方だけに掛けたり、
-3(x-2)=-3x-6 と、符号を間違えたりしやすいので、注意が必要です。
次に、-3x+6=9を「x=●●」という形にするには、+6を右辺に移動する必要がありますね。
=をまたいで項を移動することを「移項」といいましたが、移項の際には「符号を入れ替える」というルールがあります。
今回の式の場合は、
-3x+6=9
-3x=9-6
-3x=3
となります。
ここまで来れば、あとは両辺を-3で割って、答えのx=-1を導きだすことができます。
ここまでの式をまとめると、
-0.3(x-2)=0.9
-3(x-2) =9 ←10を掛けて、小数をなくす
-3x+6=9 ←-3をカッコの中の要素それぞれに掛けて、カッコを外す
-3x=9-6 ←+6を右辺に移項
-3x=3
x=-1 ←両辺を-3で割る
という流れになります。
まとめ
xの値を求める方程式の問題、正しく答えることはできましたか?
今回解説したもののほかにも、「両辺を-0.3で割る」といった計算のパターンはいくつかあります。
ほかの方法にも挑戦して、ミスを減らす工夫をしてみてくださいね。
ライター:吉野あゆみ
完璧文系の大学時代から中学数学の家庭教師アルバイトをしていた、隠れ数学好き。現在も数学の教科書や問題集を校正しながら、文系目線で数学に向き合っています。数の世界の楽しさを、みなさんにお伝えしていきたいです!
編集:TRILLニュース