身長や体重、テストの点数、年収、お店を訪れるお客さんの数など、世の中には様々な数値データが存在します。統計学を使えば、こうしたデータの集まりを分析し、集団の特徴や傾向を知ることができます。
例えば「平均」はデータの中間的な値を知る方法です。しかし「平均」では「データの偏り方」がよく分かりません。
「データの偏り(偏差)」を出したいときに使うのが「四分位範囲」です。この「四分位範囲」の数値が大きいほど、「データがばらついてる」ことになります。
今回は「四分位範囲」に関する問題に挑戦してみましょう。
2つの塾、A塾、B塾にはそれぞれ7人の生徒が入塾しました。いずれの塾も入塾テストを実施しました。A塾とB塾の入塾テストの点数に関するデータは下記の通りです。データのばらつき方が分かるよう、それぞれの「四分位範囲」を求めてください。
A塾 1点 1点 1点 2点 20点 92点 100点
B塾 7点 10点 30点 35点 40点 45点 50点
答え
では、答え合わせです!
A塾のテスト結果の四分位範囲は「91」
B塾のテスト結果の四分位範囲は「35」
でした。
A塾の方がB塾と比較して、非常に大きな値です。つまりA塾の方が「点数のばらつきが大きい」ことが分かりますね。
解説
まずは、データを小さい順に並べて2分割することからスタートします。
今回は7つのデータを扱いますので、真ん中の数(中央値)は小さい方から数えて4番目の数です。
A塾 1点 1点 1点 2点 20点 92点 100点
B塾 7点 10点 30点 35点 40点 45点 50点
A塾では2点、B塾では35点ですね。次に真ん中の数よりも小さいグループと大きいグループだけで真ん中の値を考えてみましょう。
小さいグループの数は3つあります。この小さいグループ内での真ん中の値はA塾では1点、B塾では10点になります。
A塾 1点 1点 1点
B塾 7点 10点 30点
大きいグループの数は3つあります。この大きいグループ内での真ん中の値はA塾では92点、B塾では45点になります。
A塾 20点 92点 100点
B塾 40点 45点 50点
これで太字部分を区切りとして、データを4分割できました。
A塾 1点 1点 1点 2点 20点 92点 100点
B塾 7点 10点 30点 35点 40点 45点 50点
最後に、「大きいグループの真ん中の値ー小さいグループの真ん中の値」を計算します。
A塾の場合は92-1=91
B塾の場合は45-10=35
まとめ
「四分位範囲」を使えば、平均値では分からないデータのばらつき具合がよく分かります。ぜひ他の問題にも挑戦してみてくださいね!
ライター:veyu
通信制大学にて高校数学教員免許を取得。数検2級にも合格している「数学が趣味の人」。現在は学習ボランティアを通して子どもたちに数学を教えています。算数や数学の問題に潜む「解ける快感」を一人でも多くの人に味わってほしいです。
編集:TRILLニュース