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【毒親?】お母さんと仲良くない人へ。【アラサー女子の実例相談、専門家の対処法…】

  • 2022.1.14
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CMでも広告でも母娘は〝仲良しで当然〟かのごとく描かれるばかり。身近な友人でさえSNSで〝いかに母と仲良しか〟を強調するポストをしていたり。ですが、本当に母娘は絵に描いたような仲良しじゃないといけないのでしょうか?いいえ、無理しなくていいんです。人には人の、母との距離。

「あなたのためを思って言っているのよ」という母の言葉が重いです

【相談者】Aさん 33歳・既婚・子供あり
母が思う幸せ=私にとっても幸せだと思い込んでいて困ります

「自分がしたかったのにできなかったこと、自分が幸せに思っていることを〝それだけが正解〞と言わんばかりに押しつけてくる母にうんざりしています。自分の喜怒哀楽=私も同じように感じると思っていて、自分に経験がないことで私が幸せだと思っていることについては『そんなようじゃ心配よ』と言い出し、しつこいんです。自分の成功体験と理想しか正しくないと思えるってある種幸せだなと思うけど、それ以外のものを選んで生きる私を認めないのは勘弁してほしい。否定はしてこないけど『もっとこうしたら?あなたのためを思って言っているのよ』と、正解を教えるつもりで説いてくるんです。結婚して自分の家庭ができたらそうしたことから解放されるかと思ったら、今度は家庭のあり方や子育てについても意見を言ってきて困っています。この先もこれが続くのかと思うとしんどい。認めてくれなくてもいいから、そろそろ本当に干渉するのをやめてほしいんです。どうしたら母からの見当違いの意見を減らせるのか教えてください」

【先生からのアドバイス】残念ながらお母さんが変わることはないので上手に受け流して
自分が果たせなかった夢を子で果たすことを『代理満足』と言い、歴史的にも親子関係に多く見られる話です。戦前、女性が大学まで行くことが珍しかった時代に〝それだとこれからの時代に苦労するから娘を大学まで行かせた〞と発展性のある代理満足はそれで美談になった。ところが今は世の中の状況や価値観が刻一刻と変わっていく社会。親世代にいいとされていたものが子世代にとってもいいとは限らず、それを判断できない親は問題です。現実が見えていなくて、現代では自分が生きてきたようにはいかないことに気づいていない。浮世離れしたお母さんなのだと思います。残念ながらお母さんはそういう人だと受け止めて、意見されてもハイハイそうだねとやり過ごし、覚悟を持って一定の距離を置くべきです。黙っていられないようであれば『それってお母さんの考える私のためだよね。でも私の考える私のためはちょっと違うかもしれない』と返すくらいにとどめておくのがいいでしょう。そこで自己主張を加えるといい結果にならないことが多いんです。『誰の犠牲のうえで生きていると思うの?』なんて言われたりして、最初に感じた嫌な気持ちより10倍くらい傷つくことになる場合もあるので、上手にあしらって

体型や服装にもダメ出し、娘のことは全部把握したい母って普通ですか?

【相談者】Bさん 33歳·独身
私の意見が通ったことがなく反論すると怒り狂う母。でも嫌いになりたくないんです

「自分の意見、選択について認めてもらえたことがなく、必ず『もっとこうしなさい』と言われるので子供の頃から母の前で自己主張することをやめ、お利口さんのフリをして生きています。服装、体型、髪型にもうるさく、私はカジュアルなアイテムが好きなのに『そんなの変』と否定。ヒールを履け、タイトなワンピースを着て体のラインを出せ、毎日メークをしろ、痩せろ…この多様性の時代に、自分の娘だからといって見た目に文句をつけていいと思っている母に辟易します。反抗するとなにかと面倒なので渋々従って成果を出しても『今度はこっちを』と次を要求され、それが延々と続きます。
また、何でも把握していないと気が済まないらしく、普段何時に起きて、何時に帰宅しているのかなど生活スケジュールを知りたがり、伝えた予定通りに動いていないと小言。母といる時間は私らしさを殺す時間なので、実家に帰るのは一年に二回程度にしました。でもできれば母には優しくしてあげたい。自分らしさを保ちながら一緒に過ごせる方法はないのでしょうか?」

【先生からのアドバイス】優しくしようとすると傷つくだけ。自衛する手段を考えて
「何をしても褒めないお母さんはあなたに嫉妬をしているのかもしれません。自分に自信がある人はちゃんと娘を褒められるけど、自信がない人は褒めたら自分が見下されると思ってしまうので、娘を蹴落として自分の立場を守ろうとするんですよね。そうすることでしか娘との関係が築けないのだから大変。娘は嫌な思いをし続けるしかないんです。ですから、精神的被害を最小限にして自衛する方法を一番に考えましょう。親子関係が続く限り、何かしら報告しなければならない事柄って出てきますよね。会話をすればどうしたって精神的被害は大なり小なり受けるわけですから、そんなときは文句を言われても『今日は30分しか時間がないんだけど』と区切ること。言いたいことは話を終える間際に言い放ってサッと終わりにする言い逃げスキルも大事。お母さんが納得してくれるまで話そうだなんて思わなくていいんです。それをすると返り討ちに遭うだけ。〝悪貨は良貨を駆逐する〞と言って、正面から向き合うと絶対にお母さん側が勝利を収めてしまい、娘のほうがメンタルをやられてしまうんです。誠実に対応しようとすればするほど傷つく度合いが高くなるだなんて馬鹿みたいですよね。自分らしさを保つためにも優しくするというより、冷静に対応することを心がけて」

母の思いやりのない言動にがっかりするのは、私に問題があるから?

【相談者】Cさん 32歳·独身·離婚経験あり
私が理想の母親像を母に押しつけすぎている?でも嫌なものは嫌で…

「何かにつけて物事を見る目線が違い、価値観が合わないんです。同じ映画、本、ニュースを見て感想が違うことは仕方がないと思うのですが、ジェンダー差別など、今問題となっている話題について母の価値観が昭和からアップデートされていないのを目の当たりにするとモヤッとするしがっかりしてしまって…。それを聞いて私が嫌な気持ちになっていることにも気づかず言いたい放題。娘には自分のどんな姿を見せてもいい、嫌われないに決まっていると思っている様子。思いやりのなさは他にもあって、母の友達に会うと必ず『うちの子はこんなにダメ。おたくはスゴイ』と私を下げて相手のご家族を上げるんです。母としては友達を立てているつもりなんでしょうけど、その発言によって私が嫌な気持ちになっているとはまったく気づいていない様子にもまたモヤッと。そんな母が嫌だし、それ以上に〝母にはこうであってほしい〞と理想を当てはめようとする自分に嫌気がさしてしまって…。もしかして私には母を自分以外の他人として捉える感覚が足りないのでしょうか?」

【先生からのアドバイス】人として当たり前のことを求めることに罪悪感を抱く必要はありません!
「お母さんにはこうであってほしいと願うことを〝理想〞と言う必要はありません。人として当たり前のことを求めているだけですよね。それなのにそこから程遠い対応しかされないからモヤッとするのでしょう。そんなお母さんを受け入れなきゃと考える理由はなぜですか?どんな娘だってお母さんを好きでいたいと思っているけれど、そうさせてくれない側に問題があるんです。でも親って〝自分に問題はあるのか〞とは考えないもの。だからありのままを受け入れられないと罪悪感を抱かなくて大丈夫です。息子とは一定の距離を保てるのに、娘は所有物のように扱ってしまい、何を言っても許されると思っているお母さんって多いんです。娘との間には緊張感が持てず、娘が真剣な話をしているのに関係ない話を急に始めたり、なんて事例もよく聞きます。母親は娘との力関係をよく見ていて、娘をずっと自分の下に置いておかないと嫌。娘が自分より正しいことを言うことが脅威なんです。そんなとき母親は娘を蹴落とそうとして、娘が感情的になったときに『ほらまたそうやって』と子供扱いし、立場を悪くしてきます。感情的にならないよう徹底し、毅然とした態度を貫きましょう」

信田さんから、30代の“娘たち”に伝えたいこと

「お母さんと仲良しじゃないとダメ」なんてことはありません。母娘問題はどの家庭にもあること。自分自身を否定せず、あなたらしさを貫いて。

お母さんが変わることはありません。そのなかでできることはあなたのスルースキルを上げること。

「言うことを聞いたフリ」したっていいんです。

自己主張すればお母さんが変わってくれる、という期待は叶わないと思ったほうがいいです。母と娘の溝って娘にしか見えないもの。お母さん側は娘とうまくいっていると思っていることがほとんどです。でもそう思わせておくのが一番。お母さんがAという答えを求めているのならAと答えて実際にはBでもいいんです。それは誠実ではない…と罪悪感を持つ必要はありません。感情のついていない言葉を言うということも大事。お母さんは心がこもっていないことに気づくでしょうけれど、そう言うなら仕方ないと諦めるもの。うまくやっていこうと思ったら演技も必要ですよ」

「自分の母にはこうあってほしい」このような思いや理想は、あって然るべき感情。

当然の要求なので、自分を責める必要はありません。

「恋人や友達に対して、こうしてほしいと思ったり伝えたりすることって普通のことですよね。自分との距離が近ければ近いほどそういう感情は生まれるもの。だからお母さんに対しても希望の対応を求めたり伝えたりすることは何も悪いことではありません。むしろ当然のことです。安心してください。自分を産んでくれて感謝しているから親孝行したい、イコール親のありのままを受け入れなきゃ、と考える必要はありません。それは別の問題です。もっとひどいお母さんもいるからうちはマシ、我慢しなきゃ、と思うのも間違い。自分の声に耳を傾けていいんです」

「お母さんとの関係に悩んでいる」この時点であなたは十分いい娘。

親孝行=正義、という風潮は都合よく作られたもの。

「TVCMなどメディアに登場する母娘は関係が良好なことが当たり前のように描かれていますが、それって作り物だからですよね。〝子供は親孝行をしないと〟という風潮も社会によって勝手に作られたもの。それによって家庭のモラルが保たれてきた側面もありますが、それは国をうまく回すために植えつけられた価値観でもあります。母娘関係について思い詰めているのは大抵の場合娘サイドのみ。お母さんは不満こそあっても、悩んでさえいないことがほとんどです。娘はもっとワガママになっていい!お母さんの理想を生きず、自分の人生を優先させましょう」

イラスト/ヤチナツ 取材/野田春香 再構成/Bravoworks.Inc

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