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『おもちちゃん』【今日の絵本だより 第265回】

  • 2022.1.11

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

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『おもちちゃん』 きたがわめぐみ/作 アリス館 1430円

1月11日は、鏡開きの日。 皆さん、今年のお正月は、おもちは食べましたか? 鏡開きでこれからお雑煮やおしるこの予定、というお家もあるでしょうか。 今回は昨年末に発売になったばかりの新刊絵本、『おもちちゃん』をご紹介します。

「こんにちは おもちです!」 おもちのおいしさを広めるために、わくせいおもちから勢いよく飛んできたのは、おもちちゃん。 大気圏突入の勢いでこんがり焼けていますが、パラシュートのようにぷくうっと体をふくらませて、無事に着陸。 わくせいおもちの仲間も、次々に空からやってきました。 「うすです!」 「きねです!」 お米に蒸し器などのおもちつきの道具をはじめ、きなこ、しょうゆ、のり、つぶあんにこしあん、他にもたくさん。 そこへ、うさぎちゃん、ねずみちゃん、たぬきちゃん、おもちが大好きな森の仲間も大勢集まって、さあ、おもちつきを始めましょう。 ……と思ったら、お米をお水につけた後は、一晩待つんですって。 楽しみすぎて待ちきれなくて、うすやきねのそばで、そのまま眠るみんな。 朝日が昇ったら、さあ、いよいよお米を蒸しましょう!

登場する道具も食材も動物も、みんなずーっとニッコニコ。 おもちつきってこんなに楽しいイベントなんだ、と読んでいるこちらもワクワクするくらい。 「それでは みなさん ごいっしょにー!」 と呼ばれるままに、 「おもちっ」 「おもちっ」 と声を合わせれば、おもちつき未経験の読者もどんどん気分が高まります。 おもちって、楽しくてうれしくて、特別に幸せな食べもの。 そんな読後感ですっかりおもち信者になりそうな、おいしさあふれる一冊です。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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