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エロティックな空想「セクシュアル・ファンタジー」が持つ力とは?

  • 2022.1.8

あなたのセクシュアル・ファンタジー(性的な空想)は? 昼間にボーッと窓の外を眺めながら、セルフプレジャーやパートナーとのセックスにいそしみながら、どんなことを考える? 過去に会った誰かとのロマンティックな逢引きや、複数の男性に囲まれるみだらな自分を想像する人もいれば、映画やドラマのスキャンダラスなシーンを思い出す人もいるかもしれない。じゃあ、そんなことを考えているという事実に対する自分の気持ちは? ドキドキして楽しいと思う人もいる反面、罪悪感や羞恥心を覚える人も少なくない。それを理由にセラピーを受け始める人もいる。「こんな空想をするなんて、どういうこと?」「これは普通? それとも浮気?」「私は実際こんな体験を求めているの?」

最初に言っておくけれど、エロティックな空想をするのは普通。つまり、誰もがしている健全なこと。むしろ性的な空想の不足や欠如は、医師が性欲減退障害の診断に使う項目の1つだとか。詳しく見ていこう。

自分の空想にむしずが走る?

空想は内容次第で許されない背徳行為、もっと言えば罪であると教えられてきた人や、空想は対象が付き合っている人/異性/特定の見た目の人のときだけ許されると教えられてきた人は、それ以外の空想をした自分に問題があると思ってしまう。でも、長年の伴侶と正常位でセックスする自分の姿を思い描く人は少ない(もちろん、それが間違っているわけではないけれど)。そもそも空想とは、想像力が脳を支配して、私たちを現実の世界では行けないところに連れていくこと。

ジャスティン・レミラー博士の著書『Tell Me What You Want: The Science of Sexual Desire and How It Can Help You Improve Your Sex Life』によると、18~87歳の米国人約4千名を対象としたアンケートの結果、空想の内容にはタブーとされる行為や禁じられた行為、現実の世界ではしたくないような非道徳的または法に触れる行為(公然わいせつなど)が多いことが分かった。自分の想像力を思う存分働かせる場所として、空想の世界を使うのは問題ない。でも、パートナーとのセックス中に他の人のことを考えるのは、浮気になるの? パートナーとの関係に問題があるサイン? 実のところ、性的な空想は良好かつセクシーな関係に欠かせない要素の1つ。むしろセックス中の空想は、性的な倦怠感やバーンアウト、さらには不倫や浮気の防止策として非常に有効。

セックスセラピストの多くは、性的に興奮しづらい人、性的な興奮が続きにくい人、オーガズムに自分で歯止めをかけてしまう人に空想の活用を勧める。パートナーの有無にかかわらず、長時間にわたる性行為中は、夜ご飯に食べたいものから部屋の隅にたまった洗濯物まで、あらゆることが頭に浮かんで当たり前。でも、その瞬間、意識をセクシーなことに向け直せば性的な興奮が冷めにくい。その手段として、目の前のパートナーと見つめ合うのも、電車の中で目が合った彼のことを思い出すのもOK。

空想の世界に逃げるのは、性生活を盛り上げる上で有効なツールになる。現実のパートナーとのセックスでしか得られないものもあるけれど、恥じることなく空想すれば、新しい性の世界の扉が開くはず。

※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。

Text: Rachel Zar, LMFT, CST Translation: Ai Igamoto

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