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BMIが低い女性は、ケガや疲労骨折のリスクが高いって本当?

  • 2022.1.8

自己新記録を出したい人は、男性でも女性でも、大抵レースに向けて減量する。でも、3年に及ぶ調査の結果、体重が減った分タイムが上がる可能性はあるけれど、同時にケガのリスクも高くなることが分かった。詳しく見ていこう。

臨床整形外科学・スポーツ医学准教授のティモシー・ミラー博士が率いた米オハイオ州立大学の調査結果によると、BMIが19未満の女性は、19以上の女性に比べて疲労骨折のリスクが高い。また、疲労骨折をした低体重の女性は、他の女性より回復に時間がかかった。BMIはときとして紛らわしい。でも、今回の調査結果を説明する上では、非常に便利なスケールと言える。

この論文によると、ランナーは固い地面の衝撃を繰り返し受ける。そして、その衝撃を散らすだけの筋肉がなければ、脚の骨がダメージを受けやすくなってしまう。

「今回の調査で肝となった要素の1つは、低体重および低BMIです」とミラー博士。「BMIが低すぎて筋肉が痩せ細ると、ランニングの衝撃が吸収されず、骨に直接伝わってしまいます。筋量が増え、BMIが適正になるまでは、疲労骨折のリスクが高い状態で走り続けることになります」

ミラー博士のチームは、ケガの特性を5段階で評価するケイディング=ミラー分類システムを用いて、3年にわたり、全米大学連合ディビジョン1(最高レベル)のアスリート数十名のケガを調べた。この調査では、患者の症状だけでなく、レントゲン検査、骨スキャン、CT検査、MRI検査の結果も考慮された。

調査チームがレベル5(もっとも重度)の疲労骨折をしたアスリートのデータを分析したところ、BMIが19以上の女性は約13週間で回復したのに対し、BMIが19未満の女性は回復してランニングを再開するのに(前者より1カ月長い)17週間以上かかったことが判明した。

「女性には、自分のBMIを把握して健全な状態に保つ努力をしてほしいと思います」とミラー博士。「ケガを防ぐには、日頃からレジスタンストレーニングで下腿を鍛える必要もありますよ。その結果、筋肉がつき、体重が増えたとしてもです」

米国疾病管理予防センターによると、平均的な女性のBMIは26。ミラー博士の話では、女性アスリートならBMIを20~24にキープするのが理想的。

※この記事は、ランナーズワールドから翻訳されました。

Text: Ben Hobson Translation: Ai Igamoto

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