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魔のイヤイヤ期を回避する方法はコレ!子どもに付き合えないときはこんな技も!【3児ママ小児科医のラクになる育児】

  • 2022.1.7

東京衛生病院の小児科医で、私生活では3児のママでもある保田典子先生のコラム。今回は、発達の視点からイヤイヤ期の乗り越え方についてです。「イヤイヤ」の正体、イヤイヤを起こさせないための工夫や、早く卒業するためにできることなどについてマンガでわかりやすくお伝えします!

こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では3人の子どもを子育て中の母でもあります。わが家も例外なくイヤイヤ期が全員あり、1人目は1人目なりの、2人目は2人目なりの、末っ子は末っ子なりの大変さがありました。

今回は、発達の視点からイヤイヤ期の乗り越え方をお伝えしたいと思います。

“イヤイヤ期”の正体は…!?

2-3歳のイヤイヤ期、思春期の反抗期、どちらもその正体は「自己決定したい年ごろのジレンマ」です。すべてにおいてお世話が必要で、親がいてくれれば幸せだった時期をすぎ、自分で考えて自分で決めたいけれど、まだうまく表現できない、まだうまく実行できない……そんな想いが子どもの中にうずまいています。そのことを親が理解してあげて、厄介なイヤイヤ期に付き合ってあげてください。

イヤイヤを起こさせない工夫3つ

① 子どもに選択肢を与える

イヤイヤの正体は「自己決定がしたい」なので、「イヤ!」を出さないために、子どもに「決定をしてもらう」という作戦があります。
「靴を履いてお出かけしよう」だと「お出かけしない」になるので、「青と赤、どっちの靴を履く?」と聞いてみるのです。この声かけだと、お出かけをするかしないかはまったく会話に入らず、とりあえず履いたら出かけるとなり、お出かけしない、という選択肢をうやむやにできます。

② 見通しをきちんと伝える

スケジュールがよくわからないと誰でも不安です。まだ自我が目覚めたばかりの子どもだと、余計にさまざまなことが不安になります。また、目についたものにすぐ飛びついてしまったりします。
今日のスケジュールをわかっている範囲で伝えてあげると落ちつくことがあります。そのとき、言葉で言うだけでなく、絵を使うと伝わりやすいです。お店に行ったときに「今日は、お菓子は買いません」と店に入る前に伝える、というのも見通しを伝えることです。

③ 時間には余裕をもって!

イヤイヤは突然発動します。子どものイヤイヤは早く対処しようとすればするほど泥沼になることが多いので、スケジュールは入れ過ぎず、時間に余裕をもって行動するようにしましょう。

とはいえ、わが家は時間を持て余してしまうと大変だったりするので、「余裕と持て余すのをどちらも良い感じにする時間配分」をすごく気をつかって行動していました。

イヤイヤになってしまったら…

① 答えを求めない

イヤイヤしているときに、「結局どうしたいの?」と言っても興奮している子どもには逆効果です。おもちゃを選んでもらうときなども、イヤイヤしちゃっているときに「買ってあげるよ、どっちがいいの?」と言っても火に油なことがあります。

イヤイヤ発動しちゃったときはとりあえず「そっか、こう思っていたんだね」と気持ちを代弁してあげて(その代弁した気持ちが正解である必要はありません)、ぎゅっと抱きしめてあげてみてください。(ちなみに、ギュッとされると大人でも気持ちが落ちつく効果があるそうですよ)

② 待つ

イヤイヤ発動したら、とりあえず落ちつくまで待つしかありません。

③ 時間がないときは力技で!

待つ時間がないときは、子どもに根気よく付き合うことなく、泣く子どもを抱えて帰宅したり、とりあえずベビーカーに乗せて移動しちゃうこともありました。ギャン泣きのまま人の目に晒されることにはなりますが、実はそんなに長い時間は続かないことが多いです。

イヤイヤを早く卒業するために

イヤイヤの正体は「自己決定したい」「うまく表現できない」ということが主体なので、表現ができるようになってくると落ち着いてきます。つまり、言葉をうまく使いこなせるようになると減る傾向にあるのです。

イヤイヤになってしまったら①で書いたように、「〇〇〇なんだね」「○〇〇って思ってたんだね」と声をかけたり、「ママは○〇〇されると悲しくなっちゃう」などママやパパ自身も気持ちや、やりたいことを表現してもらうことで、どんな場合にどんな表現をすればいいかを学びます。


言葉のキャッチボールも大切ですが、会話ではなくオウム返しになるような言葉もどんどんかけてあげましょう。絵カードなどを使って気持ちややりたいことを表現できるようになるのもいいですね。

生活の主導権は親が握ろう!

子どものイヤイヤがひどいと、なんとか早く終わらせたくなってしまって、子どものワガママの言いなりになってしまうことがあります。例えば、お店でお菓子を買ってあげてしまったり、見せる気のないタブレットを見せてあげてしまったり。

でも、そうすることで解決するのはほんの一瞬です。子どもは「こうすれば親は〇〇〇をしてくれる」と学ぶとどんどん要求がエスカレートして、のちのち大変になってしまうことがあります。


ワガママを聞いてあげるとき、絶対に聞かないときを親できちんと決めて、「生活のコントロールしているのは親」であることをわかってもらうことは大切です。こうすることで、お菓子や娯楽ではなく、“自分で自分のご機嫌をとる”ことを覚えることができます。

ただ、本当に困ったときなどはお菓子などを使ってもいいと思っています。これも、できればその日のスケジュールを決めたときに「ここでイヤイヤ発動したらお菓子を使う」など、親の中で事前に使うタイミングを決めておくのがおすすめです。


イヤイヤ期は大変な時期ですが、過ぎてしまうとめちゃくちゃかわいい時期でもあります。子どものしょうもない言動をちょっとでも楽しみながら乗り越えましょう!

作画/山口がたこ


監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生

2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

ベビーカレンダー編集部

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