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《番外編》花とコーヒーの街・メルボルンより~オーストラリア発ワイルドフラワーのカフェ風アレンジ~

  • 2015.8.13
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朝夕、ふと過ぎる風に秋の気配がちらほら。暦の上では立秋が過ぎ、陽射しも虫の音も、そして花店に並ぶ花も少しずつ秋色に変わっていきます。とはいえ、まだまだ残暑厳しい毎日、皆さま今年の夏はいかがお過ごしでしょうか? 私はといえば、この際暑い夏を脱出してしまおうと、南半球の「冬の国」に来てしまいました(笑)。今回のコラムは、寒いオーストラリア・メルボルンからお届けします。

メルボルンといえば、「世界で最も住みやすい街」に何度も選ばれたことがある生活文化都市。かつての統治国イギリスの面影濃く、別称「ガーデンシティ」とも言われ、フィガロジャポン2月号のオーストラリア特集によれば、「花と美食とコーヒーの街」だそう! なんて香り高い豊かな語感、もうそれだけで期待が高まります。

実際に来てみると、ものすごい人種のるつぼであることにも驚かされます。故に食文化も豊かで、ひとつのストリートでアジアのほとんどの国の料理を制覇できるのではないかと思うほど、あらゆる国のレストランが軒を連ねます。そして本当にカフェが多い! メルボルンではまずいコーヒーを探すほうが難しいと言われ、カフェのクオリティ全体が高く人々のこだわりも強いため、何とあのスターバックスが撤退することになったという話も有名ですね(まだ数軒見かけましたが)。日本では馴染みがない淹れ方のコーヒーメニューもたくさんあります。

カフェはどのお店も朝7時ぐらいから開いていて(そのかわり17時には閉まってしまいます)、オフィス街ではコーヒー片手に出勤する人がほぼ100%、店内も朝から熱心にミーティングしているビジネスパーソンで溢れています。大学にほど近いカフェでは、学生と教授が熱心に語らっていたり、勉強しながら過ごしている学生がたくさんいたりと、ずーっと混みあっています。

日本でも話題の"サードウェーブ系カフェ"がこちらでも大人気。それぞれのお店が独自に、生産地の環境やそこで働く人たちに配慮したコーヒー豆を扱うなど、メルボルンの生活者のエシカルな価値観をリードする存在なのかもしれません。暮らしに根付くカフェ文化の一端に触れたくて、評判の良いカフェを私も連日ハシゴ中(笑)。花屋さんは思っていたほど見かけないのですが、人気のカフェには必ず(必ずです!)お店の雰囲気にぴったりの生花がさりげなく、店内のあちこちに飾ってあります。美味しいコーヒーを楽しむひととき、そのくつろぎの空間には花や緑が当たり前に溶け込んでいて、旅人もローカルも自然に笑顔を交わすハッピー感......親切でフレンドリーな店員さんの接客含め、お店が醸し出す空気感全てが心地が良く、押しつけがましくない大人のもてなしを肌で感じます。10軒ほど訪ねて、どのお店でも同じ印象を持つということは、これがメルボルンのカフェの日常であり、文化なのでしょう。コーヒー×花、街を魅力的にするとても素敵で幸福な組み合わせだなあと、ちょっと感動してしまっています。


*カフェの花々をレポート♪*

メルボルンで人気のカフェにて、コーヒーと花の素敵な空間を撮影させてもらいました。
トレンドはヴィンテージ風な茶色の薬瓶、いろいろなお店で使われています。メイソンジャーのようなガラスジャーなど気取らないキッチンツールを花器に利用しているお店も多かったです。コーヒーサイフォンに飾った花もかわいいですね。今ちょうど冬ですので、チューリップはじめ春の花も飾られていますが、ユーカリの実やワイルドフラワーのリュウカデンドロンなど、オーストラリア特有の花も素敵に飾られています。古い工場跡のようなインダストリアルなカフェの内装には、ワイルドフラワーがよく似合うのです。無造作なわけでなく、でも作りこんだ感じでもない、さりげなさ加減が何ともおしゃれでこれまた憎いなーと思うわけです。


オーストラリア特有のワイルドフラワーについて少々。
本来はさまざまな自然環境に自生する野生の植物全般をワイルドフラワーと言いますが、フラワーアレンジの世界では、オーストラリア原産の花々をワイルドフラワー、もしくはネイティブフラワーと呼びます。西オーストラリア州パースを中心に約1万2千種の植物が自生しその8割が固有種、非常に乾燥した大地でなんと40万年(!)生き抜いてきた、まさに生きた化石のような植物たちなのです。他の土地では見ることができない珍しい植物たちは、独特の質感や風貌を誇り、インパクトのある個性的な鮮やかさと日持ちの良さで世界的に人気があります。西オーストラリア州では春先から夏にかけてワイルドフラワーが咲き乱れ一大観光地にもなっていますが、日本ではちょうど秋冬になりますので、秋口からたくさんの品種が輸入され、ハロウィンやクリスマスなどに大活躍します(写真左はポピュラーなワイルドフラワー「リュウカデンドロン」、右は乾燥させても美しい白い実の「ユーカリ」 ~カフェやアパレルショップのディスプレイより)。

今回は、メルボルンのカフェからインスパイアされた、ワイルドフラワーが主役のアレンジをご紹介しましょう。花材や花器をご近所で調達して、カフェやホテルの部屋で撮影しました!

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【ヴィンテージ風茶色の薬瓶のミニアレンジ】

<材料>
写真右から
セルリア(ワイルドフラワー) 1~2本
ワックスフラワー(ワイルドフラワー) 1本を小分けに
テマリソウ 2本

茶色の薬瓶 大小2点
切花栄養剤 (最近は小袋をつけてくれる花屋さんが増えています)

<作り方>
1.薬瓶の5分目ぐらいまで水を入れ、切花栄養剤を分量通り入れます。
2.瓶の高さにあわせて花材をカットし、下部の葉は取り除きます。
3.メインとなるセルリアを入れ、その横に器の口もとにテマリソウを挿します。
4.テマリソウの隙間に小分けにしたワックスフラワーをのせるように挿して出来上がり!

セルリアは、別名「ブラッシングブライド(頬を染める花嫁)」と呼ばれ、南アフリカでは「花嫁の花」とされています。ダイアナ妃のブライダルブーケに使われたことから一躍有名になった美しいワイルドフラワーです。美しくも甘すぎない花姿は、茶色の薬瓶にもよく合いますね。ドライフラワーにしてもきれいな花です。


【ヴィンテージ風白い琺瑯のピッチャーにワイルドフラワーの投げ入れアレンジ】

<材料>
写真右から
バーゼリア(ワイルドフラワー) 1本
レースフラワー 1~2本
ゴールデンフィリカ・プロモーサ(ワイルドフラワー) 1/4本くらい(1枝)
ユーカリ・テトラゴナ(ワイルドフラワー) 1~2本

白い琺瑯のピッチャー(写真は英国Falcon社のもの) 1点
切花栄養剤 (最近は小袋をつけてくれる花屋さんが増えています)

<作り方>
1.ピッチャーの6~7分目ぐらいまで水を入れ、切花栄養剤を分量どおり入れます。
2.それぞれ下葉を取り除きます。
3.ユーカリの枝を、白い実が前に向くように入れます。
4.レースフラワーを正面からやや左右どちらかに振って器の口もとに入れます。
5.ユーカリの背景になる位置にバーゼリアを2~3枝に小分けにしながら挿します。
6.口もとの空いている個所にゴールデンフィリカ・プロモーサの小枝を入れ、アクセントにします(画像では見えにくいですが、右側の後ろ側に挿しています)。出来上がり!

ワイルドフラワーのアレンジは、花材の種類によっては重たい印象になりがちですが、夏から秋に移ろう今の季節にはちょっと軽やかな色合いや質感の種類を選んでみてはいかがでしょうか? 白いユーカリの実と白い琺瑯のピッチャーがよく似合って、ワイルドフラワーでも爽やかなアレンジに!

ユーカリといえばコアラ、まさにオーストラリアを代表する植物でその種類は500以上とか。日本でもクリスマスシーズンに向かって様々な種類のユーカリやユーカリの実が花屋さんに並びます。ユーカリはアロマセラピーの精油(エッセンシャルオイル)も有名で、その香りは 「ペパーミントよりも強い刺激のある染み透るような香り 」 と表現されます。風邪や喉の症状に効くユーカリ精油は冬の強い味方、生花でも鼻がスッとするような刺激臭がありますし、ドライにしても香りが残るので、素敵な香りのオブジェにもなりますよ。

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メルボルンのカフェ風アレンジ、ワイルドフラワーで簡単おしゃれに真似できそうですね!
日本では、ちょうど今頃からワイルドフラワーの種類が豊富に出回るようになります。何といっても花持ちが2週間以上と、まだまだ秋口まで暑さが続く日本では心強い花材でもあります。秋のイベント・ハロウィンのデコレーションにも活躍してくれますし、何より昨今人気のちょっと男前なヴィンテージスタイルのインテリアにぴったりですので、今から飾ってドライフラワーにしながら楽しんでいただくのも良いと思います。

私、旅先ではできるだけその土地のフラワーデザイナー著の書籍を買い求めるようにしていますが、今回もワイルドフラワーやエアプランツを多用した素敵なフラワーデザインの本をゲット! 今のところ一番気に入っているカフェ、メルボルン大学近くの『SEVEN SEEDS』さんで、美味しいコーヒーとともにゆっくり本と花を眺める至福のひとときを味わっています。画像は、店員さんも気に入ってくれた持ち込みの(笑)ワイルドフラワーのミニアレンジ!

メルボルン滞在はあと数日ですが、このエシカル先進都市で、ローカルたちが大切にしている愛すべきカフェ文化を私もたっぷりと楽しみたいと思います♪ それにしても、フィガロジャポン2月号のオーストラリア特集、すごーく役立ちました! LOVE FIGARO~!!

(ワイルドフラワーのミニアレンジ=左手前「プロテア」、右手前「セルリア」、左奥「ゴールデンフィリカ・プロモーサ」、右奥のグリーンの実「バーゼリア」)


【おまけ】
ちょこっとですが、春の花が並ぶメルボルンの花屋さんの様子をご紹介します。

百貨店内の高級フローリスト。春の花、チューリップやアネモネ、水仙にまざってワイルドフラワーやグリーンも豊富に。多肉のテラリウムも! 花器付ミニアレンジで$29とお高めです。

住宅街のフローリスト。キャンドルやブロカンド雑貨&花が並ぶ不思議な世界観のお店でした。

メルボルン街中の有名な食品市場「クィーンヴィクトリアマーケット」内にあるフローリストというか売店。基本的にバンチ(束)売りで、自宅用に買い求める人がひっきりなしに。男性もたくさん買いに来ています、様々なワイルドフラワーを束ねた「ネイティブポージー」といった商品も!

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