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5区のお惣菜店シセロンで、ヒヨコ豆のおいしいパワーに感激!

  • 2022.1.6
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ヒヨコ豆を使った料理といったら、すぐに思い浮かぶのはファラフェルとフムス。でも、これで終わってしまうのでは?5区にオープンしたエピスリー「Cicéron(シセロン)」の惣菜コーナーを眺めると、前菜からデザートまでヒヨコ豆ベースの料理のバラエティの豊かさに驚かされる。シセロンを開いたのは1ツ星レストラン「Baieta(バイエタ)」の若き女性シェフ、ジュリア・セデフジャンだ。ニースとアルメニアという日常的にヒヨコ豆を料理に使う地方の出身である両親を持つ彼女。ヒヨコ豆におおいに関心を持つのは当然だろう。

ジュリア・セデフジャンと多彩なヒヨコ豆料理。©️The Travel Buds Studio

店内には小さなテーブルも設けられているので、テイクアウトだけでなくイートインでも植物性タンパク質いっぱいの“ヒヨコ豆三昧”を楽しめる。何を選ぼうか。味わいそびれてはならないのはニースのファーストフード的存在のパニス。ヒヨコ豆の粉を練ったフライで、ザタール風味、カレー味、トリュフオイル……など種類も豊富だ。そのまま食べてもいいし、マヨネーズにつけても。そしてこのマヨネーズもまた“ヒヨコ豆もの”である。というのもヒヨコ豆の煮汁(アクアファバ)を使っていて、とても軽い。もちろんフムスやザジキも忘れずに。ヒヨコ豆で作るソッカ・チップスとともに、これらをディップのように食べるのがシセロンのおすすめだ。

左: 惣菜コーナー。右下に見えるのがパニスだ。右: ひよこ豆のチップス“ソッカ”。©️The Travel Buds Studio

左: フムス。右: ザジキ。©️The Travel Buds Studio

これらが前菜なら、メインはヒヨコ豆のカレーやヒヨコ豆の粉を使ったラザニア、カネロニ、ピサラディエール……それぞれの異なる深い味わいに、さすがシェフの味と唸ってしまう。デザートにはクッキー、ブラウニー、パンナコッタなど。ヒヨコ豆の粉、そして卵代わりにアクアファバを使っている。前菜からデザートまで、ベジタリアンでなくてもヴィーガンでなくても、おいしさに大満足できるはず。イートインでランチして、帰りがけにディナーのためにテイクアウトして、というのも悪くないだろう。

左: マスタードの粒が味わいを添えるカネロニ。右: ヒヨコ豆のカレーやチャチュカ。©️The Travel Buds Studio

左: ヒヨコ豆のサラダ。好みの具を選んで。右: サラダ・ペネロープ。©️The Travel Buds Studio

店内の左半分を占めるエピスリーの棚を埋めるのは、ジュリアが選んだ食材の数々。茹でたヒヨコ豆も乾燥ヒヨコ豆もヒヨコ豆の粉も入手できるし、ヒヨコ豆素材のチップス“ソッカ”やビールなども。さらにオリーブオイル、シロップ、トマトソースといった彼女が厳選した品の中には、パリのほかの店ではあまり見かけないものもあり、あれこれ買って試してみたくなる。

エピスリーコーナー。Olivier & Co.のオリーブオイルを豊富に揃えている。©️The Travel Buds Studio

左: クール・ドゥ・ブッフ、ノワール・ドゥ・クリメなどさまざまな昔の品種のトマトのソース。右: ヒヨコ豆づくしのお買いもの! ©️The Travel Buds Studio

ところで店名のシセロンとは?学校の世界史の授業で紀元前、共和政ローマ末期の哲学者キケロについて習っただろう。これはキケロと呼ばれたマルクス・トゥリウスのことで、フランスではキケロをシセロンと呼ぶ。なぜそんな通称がついたのかというと、彼の先祖のひとりがヒヨコ豆(ラテン語でCicer)そっくりの鼻の持ち主だったことからだそうだ。こんな物語をインスピレーション源にユーモラスでちょっぴり際どいローマ帝国の祝宴光景を店内の壁に描いたのは、タトゥーアーティストのフレデリック・アジッドである。

シセロンがあるのは、サン=ジェルマン大通りからポワシー通りをケ・ドゥ・ラ・トゥルネル方向に入って、すぐの左手。ユニークなイラストが待つ、陽気なエピスリーだ。

Cicéron5, rue de Poissy75005 Paris営)10:00~20:00休)日、月www.ciceron-paris.fr

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