「世界住み心地の良い都市ランキング」、3位アデレード、2位大阪、1位は？

英誌エコノミストの調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」は、「THE GLOBAL LIVEABILITY INDEX 2021」を公表しました。このランキングは世界の居住性の良い都市、つまり住み心地の良い都市を表したものです。

1位はどの年でしょうか？上位3都市をご紹介します。

■「THE GLOBAL LIVEABILITY INDEX 2021」とは？

「THE GLOBAL LIVEABILITY INDEX 2021」は、世界140ヵ国の住みやすさを5項目で評価。それをスコア化してランキングにしたものです。

評価対象には次のようなものがあります。

・安全性：軽犯罪、暴力、テロ、軍、紛争の脅威など
・健康管理：民間医療や公的医療の充実度、市販薬の入手しやすさ、ヘルスケア指標への適合度
・文化・環境：気象条件、気候、公害、社会・宗教・表現の自由度、スポーツ、文化、消費財、サービス
・教育：公教育、私立教育の質など教育全般に関すること
・インフラ：道路網、公共交通機関、国際的な連携、住宅・エネルギー・水・電気通信

2021年は各項目におけるコロナ対応への評価も加味されました。では、高スコアを獲得した上位3都市を紹介しましょう。

■3位：アデレード

3位はオーストラリア南部の大都市・アデレードです。

総合スコア 安全性 健康管理 文化・環境 教育 インフラ
94.0 95 100 83.8 100 96.4

オーストラリアはコロナ対策でほぼ1年間国境を全閉鎖、ロックダウンもたびたび実施して感染拡大を抑えてきました。そのことが高く評価されて3位に入ったと思われます。

■2位：大阪

2位は日本第2の都市、大阪です。

総合スコア 安全性 健康管理 文化・環境 教育 インフラ
94.2 100 100 83.1 91.7 96.4

大阪が2位にランクインした背景にはやはりコロナ対応への高評価があるようです。

大阪府は感染拡大時にフレキシブルな対応が目立ちました。また、府知事が大阪のコロナ対策についてこまめに発信しており、それも対外的に高く評価されたと思われます。

■1位：オークランド

今回1位となったのがニュージーランドの首都オークランドでした。

総合スコア 安全性 健康管理 文化・環境 教育 インフラ
96 95 95.8 97.9 100 92.9

スコアはすべて90以上です。

ニュージーランドは新型コロナウイルスが流行し始めた時点で厳密な都市封鎖や国境閉鎖を政府主導のもとで実施。国内での感染を世界最少レベルに抑えてきました。そのことが非常に高く評価されて1位になったと思われます。

■コロナ対策の評価で順位が大きく変動か

「THE GLOBAL LIVEABILITY INDEX 2021」の解説によれば、「2021年はヘルスケアのスコアが大きく落ち込んだ都市が多い」とのこと。それに該当する都市は軒並み昨年より順位を落としていることにも言及しています。

2021年のランキングには各都市のコロナ対応への評価が順位に強く反映されたようです。

現在オミクロン株の脅威が広がる中、2022年も引き続きコロナ対応が順位を左右すると予想されます。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。