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金子夏子がこっそり集めているもの「大好きな山に親しむ、木彫りの小さな置き物たち」

  • 2022.1.2

大好きな山に親しむ
木彫りの小さな置き物たち

金子夏子
スタイリスト

インスタの投稿の隅っこに見かけただけでも、興味が湧いたらいてもたってもいられず、面識はなくてもDMでアプローチして、現地の工房やお店に足を運ぶ。自分の嗅覚に素直に動いて、気ままにこつこつ集めてきたのが、金子さんの置き物コレクション、名づけて〝ナツコファーム〟だ。

「木彫りが集まったのは、それに絞って選んできたというより、自然にそうなっていたという感じ。もらいものもありますし、普段から熱心に探したり、背景について掘り下げることは、あまりないのかもしれません」

控えめながらも、姿形の魅力を語り出せば止まらない。写真撮影のために置き物を並べる手つきからも、ファームの仲間たちへの愛が伝わってくる。

「集まってきた子たちに、自分なりの共通点を見出すのが面白いですね。木肌そのものを生かしたタイプが多く、はからずも、大好きな山との関連性を感じるものばかり。どれも角度によって表情が変化するから眺めていて飽きないんです。ひとつひとつが愛おしくて、かけがえのない存在ですね」

1 北海道が拠点の木工作家・高野夕輝さんによる日高山脈。2 同じく高野さんのミニマルな木彫り熊。3 北方民族ウイルタの守神、セワ。4 魚を獲っているアイヌのユーカラエカシ。5 福を呼ぶセワポロロ。6 柴崎重行さん作の熊。伝統がありつつモダン。丸みのあるフォルムは仏様にも山にも見える。2体は別々に購入。7 二足歩行の「擬人化熊」が気になる。8 愛車に同乗する相棒。歯を剝き出した凶暴な表情も憎めない。最近ロシア製だと発覚。9 スイス生まれのスキーヤー。10 山好きの私に、といただいたもの。11-13 親指サイズのミニチュアズ。14 木が3本集まって森。古着屋さんで遭遇。15 酉年生まれだから鳥が好き。足を回すとピィと鳴く。16 頭を上向きに元気な日もあれば、下にしてしょんぼりさせたり。17 ロシアの伝統的な玩具。玉の重みで熊がストックをスイスイ動かす仕掛け。18 笹野一刀彫のうち、ややサブな立ち位置でどことなく愛嬌ある鶏をチョイス。19 赤いお尻がチャーミング。食卓に座るつまようじホルダー。

GINZA2021年8月号掲載

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