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新しい年に、新たな視点を! 今月の展覧会4選。

  • 2022.1.1
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新たな年を迎え、気分も一新! 冬の休暇に出かけたい、全国の展覧会を厳選した。斬新な視点を与えてくれる美術館を、旅のプランに組み込んでみては?

マヨルカ島から世界へ拡大する芸術的視野。『ミケル・バルセロ展』

ヨーロッパを中心に精力的に活動する現代美術家、ミケル・バルセロの全貌を日本で初めて紹介する展覧会。バルセロは1982年の国際美術展『ドクメンタ7』におけるデビュー以来、マヨルカ島やパリ、アフリカなど世界各地にアトリエを構え、各地の風土や文化や歴史と対峙する作品を制作してきた。海と大地、動植物、歴史、宗教、闘牛、肖像といったテーマが大きな位置を占める作品世界は、自然と人間の営みに注ぐ深い愛情や尊敬や畏怖の念に根差している。現代芸術の諸潮流にも関心を寄せ、国際的なコンテクストも視野に捉えるバルセロの制作活動を、絵画、素描、水彩、彫刻、陶芸、映像と多岐にわたる約90点の作品によって紹介する。

『ミケル・バルセロ展』会期:2022/1/13 ~3/25東京オペラシティアートギャラリー(東京・西新宿)営)11:00 ~19:00休)月料)一般¥1,400●問い合わせ先:tel:050-5541-8600(ハローダイヤル)www.operacity.jp/ag

人間と自然の関係を可視化する新しい祭。『廣川玉枝 in BEPPU』

温泉地・別府市に毎年アーティスト1組を招聘する個展形式の芸術祭『in BEPPU』。6回目は服飾デザイナーの廣川玉枝を迎え、「祭」をテーマに、山から町、町から海へと温泉の水脈を辿るように別府ならではの新たな3つの神事を奉納。鉄輪温泉街を代表する温泉施設・鉄輪むし湯と地獄蒸し工房 鉄輪では、廣川の代表作『Skin Series』で作られた魔除け提灯と暖簾の屋外装飾を行う。鉄輪むし湯では地嶽柄装束を纏ったスタッフが禊祓としてのむし湯体験を提供。『地嶽祭神事奉納』の会場として、神様をお迎えする場となる。火男火賣神社や大谷公園では祭で着用する神々の衣裳を展示する。

『廣川玉枝 in BEPPU』会期:開催中~2022/2/13別府市内各所(大分・別府)開催時間は会場により異なる休)火、年末年始入場無料●問い合わせ先:tel:0977-22-3560https://inbeppu.com

『開館20 周年記念菅木志雄展〈もの〉の存在と〈場〉の永遠』「もの」と「場」の本質を問う独自の哲学。

近年、国際的に再評価が高まる60年代末~ 70年代に日本で起こったムーブメント「もの派」の作家として知られる菅木志雄。並べる、曲げるといったシンプルな行為を加えながら、石や木、金属などの日常的な素材を空間に配置し組み合わせることによって素材同士や置かれた場所、人との関係性を考えさせる作品は、既成概念を取り払い、「もの」と「場」の本質を掘り下げることで、従来の美術の在り方を根本から問い直してきた。本展では、もの派の活動終息後も独自の哲学のと、さまざまな手法の作品を発表し、半世紀以上にわたり日本の現代美術をリードしてきた彼の活動を通覧する。

『開館20 周年記念菅木志雄展〈もの〉の存在と〈場〉の永遠』会期:開催中~2022/2/20岩手県立美術館(岩手・盛岡)営)9:30 ~18:00休)12/29 ~2022/1/2、11、月(1/10は開館)料)一般¥1,000●問い合わせ先:tei:019-658-1711www.ima.or.jp

大切なことを見つめ直す、ふたりの視点。ミヤケマイ×華雪『ことばのかたちかたちのことば』

コロナ禍により価値観が大きく転換するいま、大切なことを立ち止まって考え、日常を見つめ直そうとする人々へ贈られるふたりの作家の展覧会。伝統的な日本の美意識や工芸的手法を現代に繋ぎ、展示する場所の歴史や文化から声なき声を拾い上げてきたミヤケマイ。本展では港町・横浜にふさわしく舟や水を使った大規模なインスタレーションに挑む。一方、古代人が生み出した漢字の成り立ちから自然と人間との関係性をすくい上げ、その文字と現代に生きる自分との繋がりを思索する書とテキストを発表してきた華雪は、自然への畏れを「木」という文字を糸口に再考し、人が精神の奥底から「ことば」を取り出す「書く」という行為と合わせて作品化する。

ミヤケマイ×華雪『ことばのかたちかたちのことば』会期:開催中~2022/1/29神奈川県民ホールギャラリー(神奈川・横浜)営)10:00 ~18:00休)木、12/28、30~2022/1/4料)一般¥800●問い合わせ先:tel:045-662-5901www.kanagawa-kenminhall.com

新型コロナウイルス感染症の影響により、開催時期および開館時間が変更となる場合があります。最新情報は各展覧会のHPをご確認ください。

*「フィガロジャポン」2021年2月号より抜粋

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