1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 急げ! アニ&ジョゼフ・アルバースの仕事を発見、再発見。

急げ! アニ&ジョゼフ・アルバースの仕事を発見、再発見。

  • 2021.12.29

左:  展覧会場の外に展示されているアニー・アルバースによるテキスタイル。中: 1925年頃、デッサウのバウハウスにて。photographe anonyme The Josef and Anni Albers Foundation右: 美術館内に展示されているジョゼフ・アルバースの作品。photos:(左、右)Mariko Omura

秋から来年初頭にかけてのベストの展覧会!!と大勢が絶賛するパリ市近代美術館(MAM)の「アート&ライフ アニ&ジョゼフ・アルバース』展。1月9日までと終了が近付きつつあり、まだ見ていないと肩身の狭い思いをしていた人たちも見逃してはならじと駆けつけている。

バウハウスで1922年に知り合い、3年後に結婚したアニ・アルバース(1899~1994年)とジョゼフ・アルバース(1888~1976年)。ふたりのアーティストが一緒に作品を制作することはなかったが、アメリカの移住先でもそれぞれアーティスト人生を続け、ふたりは生涯を共にした。この展覧会は、それぞれの分野で20世紀のパイオニアと称される彼らによる絵画、写真、テキスタイルなど約350点の作品を展示。フランスで初の彼らの回顧展である。彼らの仕事を知らなかった人には発見があり、知っていた人も新たな発見があり、見ごたえのある展覧会なのだ。

展示の最初は、それぞれの象徴的な作品を展示。左はジョゼフ・アルバースの『4 Central Warm Colors Surrounded by 2 Blues』(1948年)/ Jose Alberts Museum Quadrat Bottrop右はアニ・アルバース『Red and Blue Layers』(1954年)。素材はコットン。photo:Mariko Omura

ジョゼフ・アルバースのドイツ時代の作品から、ステンドグラス、家具も展示。photos:Mariko Omura

アニ・アルバースの初期の作品。左は壁掛け3点(1924〜25年)、右はテーブルクロスの見本(1930年)。彼女はテキスタイルを学ぶつもりはなかったが、当時バウハウスで女生徒に開かれていたのはテキスタイルのクラスだけだったのだ。photos:Mariko Omura

ジョゼフ・アルバースの作品から。左は『Interior a』(sandblasted opaque flashed glass/1929年)。右は1940年の『Leaf Study III』と『Leaf Study II』。 photos:Mariko OMURA

アニ・アルバースの作品。右の6枚のパネル『Six Prayers』(1965年、66年)。ニューヨークのユダヤ博物館の依頼でホロコースト犠牲者に捧げるタペストリーを制作した。photos:Mariko Omura

アニ・アルバースの作品より。左は1930年代末に発見したプレ・コロンビアン文化に触発され、1940年代に手がけたジュエリー。右は1940年代末の結び目のドローイング。photos:Mariko Omura

ふたりそれぞれの代表作品で展覧会はスタート。その後は時間軸で展開してゆく。その最初の部分は1920年から33年までのバウハウス時代、ついで33年からのアメリカ時代である。中でも人を集めている小さな部屋。そこでは、アニとジョゼフの生徒となってブラック・マウンテン・カレッジで学んでいる気になれる15分のフィルムを見ることができる。デッサン、折り紙……ジョゼフは技術より“見ること”に指導の重心を置く。コネティカット州のベタニーにある「The Josef and Anni Albers Foudation」が保存する貴重なアーカイブを活用した映像だ。

会場内、ふたりのことばが掲げられている。「芸術作品は勇気とは何かを教えてくれる。我々はかつて誰も冒険しなかったところへと進まねばなりません」(アニ・アルバース)。「見ることを学び、生命を感じることを学びなさい。イマジネーションを養いなさい。なぜなら、この世界にはまだまだ驚きがあるから。なぜなら、人生は神秘であり、そうあり続けるからです。そのことを常に意識しているように」(ジョゼフ・アルバース)。

ブラック・マウンテン・カレッジでの映像より。

左: ジョゼフ・アルバース作品の最後の展示室。彼の名前に結びつく正方形の作品が並ぶ。photo:Mariko Omura右: 『Homage to the Square』(1976年)©️2021 The Josef and Anni Albers Foundation/Artists Rights Society(ARS), New York / ADAGP, Paris 2021

アニ・アルバースの作品の最後の展示室。右: 『Color Study』(1970年)。©️2021 The Josef and Anni Albers Foundation /Artists Rights Society(ARS), New York/ADAGP, Paris 2021。右: 1968年頃、アニはテキスタイルから版画へと表現手段を移行した。photo:Mariko Omura

L’art et la vieAnni et Josef Albers会期:開催中~2022年1月9日MAM(Musée d’art moderne de Paris)11, avenue Président Wilson75116 Paris開)10:00~18:00休)月料)14ユーロwww.mam.paris.fr/fr/expositions/exposition-anni-et-josef-albers

元記事で読む
の記事をもっとみる