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美容院で「キムタクにしてください」とお願いしたら......?

  • 2021.12.28
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どっぷりアラフィフの漫画家、伊藤理佐さんが、夫で漫画家の吉田戦車さんや小学生の娘、猫たちとの日常生活を綴る抱腹絶倒の「ステキな奥さん」シリーズ。最新刊の『ステキな奥さん ぬははっ4』も期待を裏切らず、面白すぎるエピソードが満載だ。

なぜ。似合うかも、と思った?

ネタバレになるが、ここで1つだけ、エピソードを紹介しよう。

コロナ禍の昨年、韓国ドラマ「愛の不時着」にハマった伊藤さん。主役の俳優、ヒョンビンと同じヘアスタイルにしたという。ヒョンビンが演じたのは北朝鮮の軍人で、かなりの短髪だ。そして断るまでもないが、伊藤さんは女性だ。

「なぜ。似合うかも、と思った? 髪質も量も顔も身長も違うのに、どうしてわたしは。」

自分でも謎に思った伊藤さんが思い出したのは、25年前の出来事だった。美容院で「木村拓哉みたいにしてください」と大まじめに言ったら、美容師さんはのけぞった。当時は木村さんがドラマ「ロングバケーション」に出演していたころで、25歳だった伊藤さんは、「カッコよくてマネしたくて」、そうオーダーしたのだ。

美容師さんは慌てたが、伊藤さんの意志が固いので同じ髪形にしてくれた。しかし結果は......

「もちろんキムタクにはならず「ずっと寝起き」みたいな仕上がり。」

それなのに、四半世紀経って性懲りもなく同じ過ちを繰り返す伊藤さん。相当面白い人だと思ったら、さらに上手がいた――。

笑って新年を迎えたい人へ

本書は、PART①妻なアタシ、PART②母なアタシ、PART③私なアタシの3章立てで、42本のエッセイと描き下ろしの4コマ漫画が6本収録されている。

「ダスキンさん」が来る日の朝に、夫の吉田さんと慌てて掃除をする話(「宝箱かもしれないし」)、離れて暮らす実家の両親に、「あと、ひといぬ、どうですか?」と犬を飼う提案をした話(「あと、ひといぬ」)、小学校4年生の娘さんに「ジョンレノンって(音楽室の)ベートーベンくらいの人?」と聞かれた話(「ジョンレノンって...」)、コロナで使われる「クラスター」や「オーバーシュート」というワードが「入ってこない」という話(「に、日本語で!」)......。

どれもこれも、「ぬははっ」と笑えるエピソードばかり。同世代ならなおさら、「あるある!」と共感できること請け合いだ。

日ごろの悩みや面倒なことはいったん置いておいて、笑って新年を迎えたい人におすすめの一冊。

■伊藤理佐さんプロフィール

1969年生まれ、長野県諏訪郡原村出身。デビュー作は87年、「月刊ASUKA」に掲載された「お父さんの休日」。2005年、『おい、ピータン!!』で第29回講談社漫画賞少女部門受賞。06年、『女いっぴき猫ふたり』『おんなの窓』など一連の作品で第10回手塚治虫文化賞短編賞受賞。ほか代表作に『やっちまったよ一戸建て!!』『おかあさんの扉』などがある。07年、漫画家の吉田戦車さんと結婚。10年、第一子出産。15年、マツ(メス猫)が家族になり、16年、トラ(オス猫)も家族になる。ここ数年、痩せたり太ったりしていたが60㎏に安定。それ太ってるじゃん(身長157㎝)。断酒してたけど酒、はじめる。

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