婚約破棄された女性が、元婚約者に復讐した話【前編】

基本的に約束を破られるのはつらいですが、もっともつらい約束の破棄は、婚約破棄ではないでしょうか。

香織さん（仮名）は、両親に結婚の挨拶を済ませたあとで、一方的に婚約破棄された過去を持つ女性です。

当時は辛く、もう二度と恋愛なんてできないと思うほど落ち込んだそうです。

ですが今現在彼女は、人生を謳歌しています。立ち直ることができたのは、復讐をきっちり果たせたからだと、香織さんは語ります。

香織さんが婚約破棄から立ち直るまでの軌跡を、前後編でお届けします。

マッチングアプリで出会った超タイプの彼

結婚願望が強い方ではありませんでしたが、30代半ばになり、仲の良い友だちが続々と結婚していく様子を見て、「私もそろそろパートナーがほしいな」という思いが芽生えてきました。
そこで利用したのが、親友から勧められた国内最大手のマッチングアプリです。
初めてみると、普段生活している範囲内では出会えない人たちに出会うことができて、とても楽しかったです。
気軽にデートを楽しんでいたある日、ひとりの男性から「いいね！」が来ていることに気がつきました。
同い年の精神科医で、趣味は私と同じ映画と読書。私は皮膚科医をしているので、職業的にも親近感を感じましたし、プロフィールに表示されている写真は、私が長年押している俳優に似ていたので、すぐに会うことにしました。
アプリには盛れている写真を使う人も多いため、期待はしていませんでしたが、実際に会ってびっくり！ 推し俳優にそっくりで、優しくて、話も面白くて……一瞬で恋に落ちました。
トントン拍子で話は進み、付き合い始めてから二年ほどたったころ、彼から「結婚の報告に両親に挨拶に行きたい」と言われたときは、とても嬉しかったです。
でも、私の高揚した気持ちは、長くは続きませんでした。

突然の婚約破棄！信じられない言い分……

私の両親に挨拶にきたあと、すぐに彼の両親にも挨拶に行く予定だったのですが、なかなか予定が合わず、半年ほど会うことができませんでした。
しびれを切らして彼を問い詰めると、「婚約はなかったことにしてほしい。今、母親が病気でそれどころじゃないから」と言われたのです。
病気の話なんて付き合ってから一回も聞いていなかったし怪しい、と思いました。
「私も一緒に支えるから」と言っても耳を貸してくれず、一方的に連絡を断たれてしまったのです。
ショックでした。結婚する予定だった相手に、こんな風にバッサリ斬られるなんて思ってもいませんでした。
それに、友だちにも両親にも、職場にも結婚することは伝えているのです。今更なかったことにするなんて、恥ずかしすぎました。
そこで、ふと気が付いたんです。彼は、何も失っていない、と。
彼の両親にはまだ挨拶にも言っていませんでしたし、彼は職場でも結婚のことをまだ公言していなかったに違いありません。

理由は意外なところに……

「なんで私だけ……？」という気持ちと、婚約破棄の理由に納得できない気持ちから、なぜ婚約破棄に至ったのかを調べることにしました。
答えは意外なところから簡単に見つかりました。友だちが教えてくれたんです。
「香織の婚約者っぽい男から、『いいね！』きたよ」と。
そう、彼は、私と付き合っている間も、婚約中も、ずっとアプリで女を漁っていたのです……。
このエピソードは、後編へ続きます！
後編は12月26日（土）19:30に公開予定！ お楽しみに！
（今来 今／ライター）