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バスタイム奮闘記とあったかお風呂絵本

  • 2021.12.25

体の芯まで冷えるような夜が続き、お風呂でゆっくり温まりたい季節となりました。

先日、浴室の整理をしていたら、未開封のバス用アロマオイルが出てきました。だいぶ前に、忙しい育児の中でもリラックスできたらと友人からプレゼントされたものですが、当時はそんな時間すら取れず、そのまましまい込んでいたのでした。

湯船でのんびり体をほぐすなんていう余裕はゼロ。でも今なら使える。これもまた、時が経ったこと、息子が成長したことを噛み締めた一瞬でした。

当時は、我が家ではパパの帰宅時間が遅かったので、いわゆる「ワンオペ」。子どもはたった一人なのに、こうも大変なのかと思うほどに手こずっていた私でした。

どんなだったかというと、言うなれば、戦。細かいことは忘れてしまいましたが、おすわりできない頃が一番苦労したかもしれません。どうやって子どもの体を支えながら、自分の体を洗うかとか、どうやって子どもの安全を守りながら髪を洗うかとか、どうやって子どもを抱っこしながら、体を拭くかとか。そんなことばかりに頭と手足を使っていたように思います。そしてパパの手の代わりになるようなグッズはないものかと日々、ママ雑誌や赤ちゃん用品店のイチオシ商品を検討して、買っては失敗して……の繰り返し。

その果てに、私がやっと一息つけるようになった、お助けグッズがふたつあります(今はもっと優れものが出てるかもしれませんが)。

一つ目は、『タミーバズ』。当時のママ友からの助け舟で、この商品名を送ってもらい、何度も失敗を繰り返したので疑心暗鬼でしたが、ものはためしで即購入。ところが、使ってみると、なんとまぁ、今までの苦労はなんだったのか、というくらい楽になったのです。もう、この時ほど赤ちゃんグッズに感動したことはありません。ゆとりを持って自分の体を洗い、髪も洗い、そして慌てることなく拭くという一連の動作がようやくスムーズにできるようになったのです。

その『タミーバス』とは、要はバケツです。赤ちゃんの体に負担がかからないよう、足をM字型にした体勢を保ちながら、バケツ型のバスタブに収まる仕組みになっているものです。これなら沐浴中に赤ちゃんからほんの数十秒目を離しても、つるっと滑って溺れるなんて心配はありませんし、コンパクトなので場所も取りません。それに頭は浮いた状態なので、背もたれに押さえつけられるようなこともありません。息子の後頭部の凹みが気になっていた私でも安心して使えました。もうこれ以上このバケツには入らないというくらい、パツンパツンに成長するまで愛用したものです。

ただ、もうひとつ問題が残っていました。どうやって息子を拭くか、です。これまたパパの手があれば、どちらかがタオルを持って、どちらかが息子をタミーバスから引き上げる、ということができたと思いますが、なにせワンオペ。折角拭いた自分の体はまた濡らすことになるわ、そこらじゅうビショビショになるわ。それでも、息子を抱き上げ、タオルで包んで一旦床に置き、そして私はもう一度濡れた体を拭き、そこらじゅうも雑巾掛けするという、非常に効率が悪いことをしながら、毎日を乗り越えていたのです。

そんなある日、アメリカに住む伯母からプレゼントが届きました。バスエプロンと呼ばれるようなものでした。大きなタオルを、エプロンのように親の首から下げる工夫が施されてあり、そのまま赤ちゃんを抱っこして包めば、洋服も濡れずにストレスフリーの風呂上がりが過ごせるというもの。これには目から鱗で、なんというアイディアだと感心したものです。

それからというもの、闘争心を燃やさないとクリアできなかった子どもとのバスタイムがグッと平和になり、さらには、「私、余裕じゃん! 子育てうまくやってる!」という、にわかながら自信にも繋がりました。

ええ、息子が一歳をすぎるころまでは。

歩けるようになり、お風呂上がりに濡れた体でそこいらじゅうを歩き回り、家中びしょびしょにするまではね。
そんな過去もありましたが、それでも、当然、楽しい時間だってたくさんお風呂にはありましたよ。
冬ですもの、たっぷりあったまって、ストレスなく気持ちよく寝たいですね。

今回はお風呂の絵本。

『わにわにのおふろ』(小風さち:文、山口マオ:絵/福音館書店)

お風呂場に嬉しそうに入ってきたのは、こわーい、ではなく、仲良くなれそうな大きなワニの「わにわに」です。蛇口を回し、お湯を溜め、シャワーを浴びて、あぶくを飛ばし、とみんなと同じことをやっているのに、なんて楽しそうなんでしょう! 木版画の力強さと温かみも素晴らしく、わにわにの動作のオノマトペもちょっと不気味でかなり可愛い。とにかくギャップが魅力の子どもたちが夢中になる作品です。大人気のシリーズなので、他もぜひ。(2歳から)

『ぽっかぽかだいすきおさるさん』(福田幸広:文と写真/ポプラ社)

日本には、山のお猿が入ってくるという世界的にも珍しい温泉があります。そこでお猿さんたちはどんな風に過ごして、どんな表情をしているのでしょう。「ああ、いい湯だ~、ああ、気持ちいい~、極楽じゃぁ~」……そんな人間のつぶやきがしっくりくるようなお猿の姿を写真が捉えています。子どもたちも、同じようにじゃれ合ったり、きょとんとしたり。そんな姿がたまらなく可愛い、ほっこりする写真絵本です。(3歳から)

『おふろやさん』(西村繁男:作/福音館書店)

最近は滅多に見かけない町のお風呂屋さん。一昔前は、高い煙突に立派な瓦屋根の建物が近所に一軒はあったものです。夕方にもなれば、入り口の暖簾をくぐる人たちで賑わっていました。そんな場所を舞台にした作品。下駄箱、男湯と女湯に分かれるところ、脱衣所、洗い場、湯船の中へと場面は進んでいきます。その場その場で、様々な年代の人たちが織りなす小さな物語が切り取られていて、たまらなく愉快。面白シーンを探しながらページをめくるのもの楽しいですし、温泉に行った時と重ねてみてマナーを覚える読み方もあり。時代を超えて親しめる作品です。(4歳から)

もう年の瀬です。ゆっくり、じんわり、一年の疲れをお風呂で落としてみてはどうでしょうか。

それでは良いお年を!

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