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モノ・コト・トキすべてを循環する、新時代のワークショップの魅力を解剖

  • 2021.12.23

巷に溢れる「ワークショップ開催」の文字。参加したことがある人も多いだろう。DIYの流行も相まってワークショップはどこも盛況なのだという。How toを習うお稽古事、というよりみんなで楽しむイベントという側面が強いワークショップの魅力を解剖する。

そもそも「ワークショップ」とは?

「ワークショップ」とは、本来、作業場や工房を意味する言葉。だが現代においては、参加者が経験や共同作業したり対話したりしながら技術を向上させる場、という意味を持つようになっている。

具体的には、ものづくり講座、音楽ワークショップや演劇ワークショップのような身体表現における学習と作業参加の場や、各種体験セミナー、科学や技術教育、人権教育のような各種教育ワークショップのようなものがある。ヨガや瞑想教室、陶芸教室などの身体で体験する教室や機会にも、この呼称は使われる場合がある。Harumari Inc.

(wikipedia引用)

このように、「ワークショップ」とひとことでいっても、その言葉の意味するところはさまざまで、ビジネス用語としての「ワークショップ」・演劇領域での「ワークショップ」などはカタチがまったく違うといっていいだろう。

本特集では、私たちに最も身近な「ワークショップ」について取り上げたい。それは、「ものづくり」としての性格が強いもの。「何かをつくる、体験講座」である。

「アーティストやクリエイターの方を講師に迎えて、オリジナリティのある作品をつくるワークショップ」が盛り上がりを見せている。自分なりの「こう創りたい」というイメージを元に、講師の方に教わりながら作り上げた作品は、飾ったり、インテリアとして使用したりと「プロダクト」として活躍する。
これはまさに、近年マーケティングシーンで叫ばれている「モノ・コト・トキ消費」の循環に他ならない。

「アート」なワークショップは、モノ・トキ消費と循環するコト消費

1970年代から80年代にかけてのモノ消費の時代を経て、人より新しいコトや珍しいコトの体験が価値となるコト消費が2000年頃を中心に盛り上がった。昨今はその先の「トキ消費」の時代だといわれる。

博報堂生活総合研究所 首席研究員の夏山明美氏によれば、従来のコト消費と異なる「トキ消費」は、生活者が人と一緒に生み出すトキに主体的に参加することが要件だ。つまり、ワークショップにおいては「参加者が主体」となること。

ワークショップという限られた時間の中で、「ただ教わる」だけでなく、参加者同士が繋がったり、出来上がった作品をお互いに鑑賞しあったり。SNSで主催者にメンションを飛ばして自身の作品を発信する参加者。それをまたメンションして不特定多数の人に発信する主催者。SNSやオンラインの発達は、ワークショップを「トキ消費」のコンテンツに押し上げてくれたといえるだろう。

さらに、そのかけがえのない時間と体験を経て生まれたプロダクトは、唯一無二。あくまでの“自分の好き”をカタチにしたものとして、新しいモノ消費ともいえる。
このように、「アートなワークショップ」は、今の時代にマッチしたモノ・トキ消費ともリンクする新しいコト消費といえる。

参加者に生まれる思考やマインドの変化とは?

では、ワークショップに参加することは、ただの“今っぽい”消費活動だろうか? もちろん「楽しそう」「これが作りたい」という消費への欲求がスタートにあることは間違いないが、ワークショップは奥が深い。

実は、プロダクトやそのトキ(イベント)目当てで参加したとしても、参加者自身の中に生まれる変化があるのだという。

創作が主体であるからこそ、強制的に自らを見つめ直すことになる

現役で創作活動を続けているクリエイターやアーティストなどが講師になっているということが「アートなワークショップ」では鍵となる。
技術を磨いたり、作法を覚えるということではなく、「自分のイメージを形にする」ことが主体となっているのだ。
告知や宣伝は主に講師となるクリエイターが“ヒキ”となり、SNSで活発に行われている。そのため、参加者はそもそもそのクリエイターの世界観に共感している主体的なフォロワーだ。

クリエイターにとってワークショップはフォロワーとの出会いの場。自分の好きなモノに共感して集ってきたフォロワーに、より奥深い創作の世界を知らせようと、ワークショップの時間においてはファシリテーターの役割を果たすことになる。
参加者に積極的な発言やアクションを促していくクリエイターの役割があるからこそ、参加者はさらに主体的にワークショップに参加するのだ。

クリエイターが講師であるゆえに「とにかく自由に」という作風をはじめに教えることが多い。小手先の技術や作法より、まずは創造することが一番大事だということを教えてくれるのだ。

「モノ作り」が目的だったはずなのに、参加者はより自分らしいものをクリエイトしようと、非常にクリエイティブな思考になっていく。創造力に必要なものは、自分自身の感覚だ。
「自由に」と言われれば言われるほど、一体自分は何かしたいのだろう? と思考が自分へ向いていく。
アートなワークショプでは、絵を描いたり、モノを作ったりといった美術や工作に関係するジャンルが多い。こうした作業は普段使わない発想法や思考を用いるので、自分の中の凝り固まった考え方を見直すいい機会になるだろう。

また、見知らぬ者同士がある種同じ世界観に共感して同じ場所に集ったのに、アウトプットとしてまったく違うものが出来上がる……。そのことを目の当たりにしたとき、他者の価値観や人間関係においての学びも得られそうだ。

価値観や「好き」のカタチも千差万別。
それをすべて受け止めた上で、自分は何が好きでどんなイメージが一番自分らしいのか……。クリエイターの手助けを受け、モノづくりを通して、思考を整理する、現代のわたしたちにぴったりな「アートなワークショップ」をこれからも愉しみたい。

引用:博報堂WEBマガジン
Wikipedia

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