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TOEIC、介護福祉士…資格試験の値上げ相次ぐ、コロナ対策費用圧迫で

  • 2021.12.15

コロナ禍の影響による値上げが相次いでいますが、資格試験も例外ではありません。多くの人が受験する国家資格や民間資格も次々と値上げしています。主な資格試験の値上げ状況や受験料値上げの理由について説明します。

■社会保険労務士

受験料が6,000円上がったのが、国家資格である社会保険労務士(社労士)試験です。2021年2月の試験から受験料9,000円から1万5,000円に値上げされました。

受験料の値上げは、国が現状に即した形で試験の実施に必要な費用を見直した結果ですが、コロナ禍によって多額の感染対策費用が発生したことがその大きな要因となっているようです。

■社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士

同じく国家資格となる「介護3資格」の受験料は2021年度試験から2割値上げとなりました。

・社会福祉士 1万5,440円→1万9,370円(3,930円値上げ)
・介護福祉士 1万5,300円→1万8,380円(3,080円値上げ)
・精神保健福祉士 1万7,610円→2万4,140円(6,530円値上げ)

検温や消毒などの新型コロナウイルス感染対策のために試験実施費用が大幅に増加したため、十分な試験実施費用の確保を目的として国が受験料の値上げを行ったのです。

■情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験

IT分野の国家資格である「情報処理技術者」および「情報処理安全確保支援士」の受験料も5,700円から1,800円増の7,500円に値上げされました。

・筆記試験 2021年度秋試験より値上げ
・CBT方式 2022年4月実施試験より値上げ

こちらも、新型コロナ対策費用による試験実施費用の増大から国が値上げに踏み切りました。

■TOEIC

就活や海外勤務などに必要な英語力を測る試験であるTOEICも、2021年10月の試験より受験料が従来の6,490円から1,320円増の7,810円に値上げされました。

TOEICによれば、新型コロナウイルス感染対策のために会場借用料など多岐に渡って試験実施費用が増加したのがその理由です。

このように、コロナ禍によって多くの資格試験で受験料が値上げされていますが、今後も同じ理由で受験料を値上げする資格試験が続出しそうですね。

■資格試験の受験料を助成する自治体も

相次ぐ資格試験の値上げによって、仕事をする上で不可欠な資格試験の受験すら断念せざるを得ない人が増えています。

自治体の中にはそのことに危機感を持ち、社会からの需要が特に高い資格試験の受験料を助成するところも出てきています。

たとえば兵庫県明石市では、明石市民、明石市内の福祉施設や福祉事業所の勤務者・勤務内定者を対象に介護3資格の受験料値上げ分を全額助成しています。今後は他の自治体でも同じ動きが出てくる可能性が高いでしょう。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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