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【国立】菅原道真公直系の由緒正しき神社さん!東日本最古の「谷保天満宮」

  • 2021.12.14

こんにちは。地域特派員のまきむら あいです。12月に入り、はや2週間。もうすぐ1年が終わりだなんて!「光陰矢の如し」って本当です。

さて、私はいつも三多摩の素敵なカフェに、美味しいレストランなどをご紹介していますが、今日は初詣シーズンに向けて、思わず行きたくなる!国立の超有名スポット「谷保天満宮」をご紹介します。知らなかったあんなことやこんなこと、ぜひご一緒に歴史さんぽに出発しましょう。

実は、東日本最古の天満宮なんです!

JR南武線の谷保駅を下車して徒歩3分。すぐに見えてきました、この鳥居! 関東三大天神のひとつであり、あの有名な亀戸天神社(1662年造営)・湯島天満宮(創建は458年ですが菅原道真公勧請は1355年)を押さえ、なんと東日本最古(903年建立)。皆さまお馴染みの谷保天満宮です。

ご祭神は有名な菅原道真公。とても頭が良くて、でも左遷されて、太宰府で亡くなったのですよね。でもその人生、本当はどのようなものだったのでしょうか。今回、神職の方に貴重なお話をたくさん伺いました。ここでぜひご紹介させてください。

出典:リビング多摩Web

甲州街道(国道20号線)に面した鳥居、厳かな空気を感じます

出典:リビング多摩Web

手水舎、きれいに整備されていて美しいです。

菅原道真公、その半生

道真公、元々は平安時代の貴族であり、学者で政治家でした。忠臣として名高く、宇多天皇に重用されました。宇多天皇は政治改革を率先して行った人物で、遣唐使制度の廃止や官庁の統廃合、歌合を行うことで歌人を増やす等もしているかなりの人物ですが、宇多天皇の御代を支えたのが道真公で、宇多天皇の第一皇子 醍醐天皇の御代では右大臣にまで上り詰めました。

朝廷の中で一番上の役職は太政大臣ですが、この役職は適任者がいなければ空席で良かったため、左大臣が最高役職、右大臣がその補佐であったと言われています。現代に置き換えると、左大臣は内閣総理大臣で右大臣は副総理という感じらしいです。道真公、やっぱり偉い人…

しかし、右大臣である道真公とともに朝廷を支えた左大臣の藤原時平公がある時「道真は謀反を計画している。醍醐天皇を引退させ、自分の娘を嫁がせた斉世親王を皇位につかせようとしている」と訴えたことで状況は一変!道真公は九州大宰府に、大宰員外帥(大宰府の長官代理)として左遷されます。(諸説あり)

道真公直系といわれる由縁

しかし大宰員外帥とは名ばかり。実際に仕事はなく、住まいも食事も粗末なものでした。また、神職の方によると、道真公が太宰府に左遷された時、娘は九州行に付き添って良いが、息子はついて行ってはならない。道真公以上に秀でた才能を持つ息子が出れば国家転覆を企む恐れもあるとの理由から、息子たちも様々な地に配流されたそうです。

そのような激動のなか、道真公は太宰府左遷からおよそ2年で失意のうちに薨去してしまいます。903年(延喜3年)2月、道真公薨去の知らせを聞くと、国立は谷保城に配流されていた三男の道武公は自ら像を刻み、廟を建てて父を祀ります。これが谷保天満宮の起源なのだそうです。なお、921年(延喜21年)11月に道武公も薨去すると、相殿に合祀されました。

つまり、谷保天満宮は道真公直系の由緒正しい天神さまということになります。都からも太宰府からも遠く、しかも国立の地に直系の天神さまがいるなんてびっくり!!ご利益を求めてたくさんの人が参拝に来るのもうなづけます。

出典:リビング多摩Web

道真公の三男、道武公が父君の死を悼んだ廟が、谷保天満宮の起源

鎮守の森

また、谷保天満宮の社叢(しゃそう)は、東京都指定天然記念物に指定されています。社叢とは鎮守の森のこと。ここには河岸段丘の豊富な湧き水も流れています。それに、谷保天満宮といえば、きれいな鶏が境内を自由に闊歩している姿が印象的。ついつい目で追ってしまいます。

出典:リビング多摩Web

鬱蒼とした木立の中を歩くと、木の香りに包まれます。

出典:リビング多摩Web

湧水が豊富な境内

出典:リビング多摩Web

この水は弁天池までつながっています。

出典:リビング多摩Web

穏やかな境内で、鶏が自由気ままに暮らしています。

下り宮の理由

谷保天満宮といえば…ということがもう一つ。天満宮の鳥居は甲州街道に面していますが、鳥居をくぐるとその先は山を下りるように歩んでいき、参拝することになります。もともと17世紀ごろまで甲州街道は立川段丘の下を通っており、本殿と拝殿は街道に面して南向きに建てられたのだそう。しかし、のちに甲州街道が段丘の上を通ることになると、参道の方が変化したのだそうです。

出典:リビング多摩Web

階段を下りていくと…

出典:リビング多摩Web

本殿、拝殿に出ます。

今回はいつもと少し趣を変えて、国立の超有名!歴史さんぽスポットをご紹介しました。1年のうちで最も神仏が近い存在になるお正月は、もうすぐそこまで来ています。充実のお正月、実りいっぱいの初詣になりますように。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。また次回、お目にかかりましょう。

谷保天満宮(やぼてんまんぐう) 〒186-0011東京都国立市谷保5209 TEL 042-576-5123(社務所) 南武線谷保駅下車 徒歩3分 中央線国立駅下車 バス10分(谷保経由 府中行き「谷保天神」バス停下車) 京王線府中駅もしくは聖蹟桜ヶ丘駅下車 バス10分(谷保経由 国立駅行き「谷保天神」バス停下車) 中央自動車道 国立府中ICより3分、駐車場完備 公式ホームページ yabotenmangu.or.jp

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