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「この人を主役にした時代劇はゼッタイ面白い」と思える王女は誰か

  • 2021.12.10

朝鮮王朝時代の王女をヒロインにした時代劇といえば、真っ先に思い浮かぶのが『華政(ファジョン)』である。14代王・宣祖(ソンジョ)の娘だった貞明(チョンミョン)王女が主人公になっていた。

この他に、どんな王女がドラマのヒロインにふさわしいかな、と思ったら、まさにピッタリの女性がいた。それが敬恵(キョンヘ)王女である。

彼女は「朝鮮王朝で一番美しかった王女」と言われている。しかし、それが彼女をドラマに抜擢したい理由ではない。一番の理由は「最も波乱万丈な生涯を送った王女」だからである。とにかく、敬恵王女の人生はドラマ向きなのだ。

果たして、どんな女性だったのか。

敬恵王女は5代王・文宗(ムンジョン)の長女である。弟が6代王・端宗(タンジョン)だ。

彼女は王女として何不自由なく暮らしていたのだが、父が1452年に亡くなって弟が国王になってから人生がすっかり変わってしまった。

なにしろ、叔父の首陽大君(スヤンデグン)が凄い野心家で、国王の座を狙って端宗に重圧をかけるようになった。

しまいには、端宗を支持していた重臣たちを殺すクーデターを起こし、一気に政権を奪ってしまった。そして、端宗は脅かされる形で譲位せざるをえなくなって、首陽大君は7代王・世祖(セジョ)として念願の王位を手に入れた。

ここから敬恵王女は悲劇のどん底に落とされる。弟の端宗は死罪となり、敬恵王女も奴婢(ぬひ)にまで身分を下げられてしまった。さらに、夫が謀反の罪をかぶせられて無惨な形で処刑された。

『王女の男』で敬恵王女に扮した
逸話に彩られた女性

ここまで不幸に直面した王女は他にいないほどだった。

しかも、夫が処刑された直後に身ごもっていたこともわかった。

そのとき、世祖は家臣に「男であれば殺せ」と命じていた。実際、生まれてみると男だった。しかし、世祖の正室が「女の子が生まれた」と夫に嘘の報告をして、生まれた子供を秘かに育てた。

そんな逸話に彩られた女性が敬恵王女であった。

時代劇『王女の男』では、ホン・スヒョンが敬恵王女に扮していた。今度は劇的な人生を歩んだ主役として敬恵王女を見てみたい。そんな時代劇が作られることを期待している。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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