1. トップ
  2. 恋愛
  3. テレワークのしすぎが原因…!? テレワークがもたらすメンタル不調の原因とは?

テレワークのしすぎが原因…!? テレワークがもたらすメンタル不調の原因とは?

  • 2021.12.9

コロナにより、以前よりもテレワークがぐんと増えましたよね。しかし、自宅にこもり1人きりで仕事を続けていると、メンタル不調を起こしてしまうことも……。そこで今回は、「医療法人社団藤和会あんどう内科クリニック」の安藤大樹先生に対策などを伺いました。

テレワークがもたらすメンタル不調の原因をいくつか教えてください

自宅は本来、仕事を忘れ、心と身体にエネルギーをチャージするための憩いの場所であるはずです。リモートワークは、感染リスク軽減やライフワーク・バランスの向上といったメリットと引き換えに、大切な憩いの場を奪ってしまうデメリットを生んでいます。

まず、仕事とプライベートの区別をつけにくいという点です。家で作業ができるということから、終業時間を過ぎても働き続けたり、夜間や休日に届いたメールに対応したりと、緊張を緩めにくい環境が続くとメンタル不調を引き起こす場合があります。

次に、仕事の進め方やコミュニケーション取り方の変化によるストレスです。他のスタッフが今何をしているかがわからない、相談事があっても気軽に相談できないなど、独りで仕事の悩みを抱え込みがちになります。部屋に籠って独りで作業することになりますので、気づけば1日中誰とも話さず孤独を感じる人も多いでしょう。

また、単純に通勤しなくなったことによる運動不足に伴う体力低下や自律神経のバランスの乱れなども、メンタル不調を引き起こす原因になります。

具体的にどんな不調が考えられますか?

「自分自身が感じる不調」と「周囲が感じる不調」2種類の不調のサインがあります。当てはまる項目がある場合、メンタル不調を起こしている可能性があります。

自分自身で感じる不調のサイン

・休んでも疲れがとれない
・仕事や家事に加え、興味のあることにもやる気が起きない
・メイクをしたり服を選んだりするのが億劫になった
・寝付けなくなった、途中で目が覚める、どれだけ寝ても眠い
・食欲がわかない、もしくは食べ過ぎてしまう
・普段しているSNSや動画のチェック、ゲームなどをしなくなった
・わけもなく涙が出る

周囲(上司)が感じる不調のサイン

・新しい企画に参加しなくなった
・メールの返信が遅くなった、誤字やおかしな文脈が増えた
・日報や報告書の情報量が減った
・仕事の生産性が目に見えて落ちてきた
・普段しないようなケアレスミスをするようになった
・会話の中にネガティブな発言が増えた
・リモート会議中の声が小さくなった、感情的になりやすくなった

メンタル不調に効果的な改善方法、緩和方法を教えてください

対策のポイントは「緊張感を緩めること」です。まず、オンとオフを明確にしましょう。在宅で仕事をすると、昼休みや夜間まで仕事が気になってしまいます。逆に、家族のことを考えたり、洗濯物や洗い残したお皿が気になったりして仕事に集中できないことも。このようなストレスを軽減させるために、リモートワークを行う時間と場所を決めましょう。始業時間、昼休み、終業時間を明確にし、休む時は仕事を忘れてください。仕事のために別の部屋が用意できればベストですが、それが難しい場合は、仕事用の机や椅子を用意するなど、ワーキングスペースを作りましょう。仕事の時は、机の上に作業に必要ないものは置かないようにして下さい。長時間のパソコン作業は、自律神経のバランスを乱します。作業効率は90分程で大幅に低下しますので、短時間でもいいので、細かく休みを挟みましょう。その際、大きく伸びをしたり、白湯を飲んだり、目の周囲をホットアイマスクで温めたり、自分なりのリラックス法のルーティンを作ってみてください。

その他、何かアドバイスがありましたら教えてください

人は「帰属欲求」という、「集団の中にいたい、繋がっていたい」という欲求を持っています。この欲求が満たされないと、人は孤独を感じ、他者との関わりに不安を感じます。このような不安の積み重ねがストレスとなり、うつ病などを引き起こす原因になります。そうならないために「独りきりにならない、独りきりにさせない」ことが大切です。それを防ぐ手段として、あらかじめ相談先を決めておくことが有効です。それぞれの相談先は一緒である必要はありません。「仕事に関しての相談相手」、「人間関係の相談相手」、「プライベートな問題の相談相手」、さらに「健康問題を相談できる医療機関や公的機関」など、悩み別の相談窓口を明確にしておくといいでしょう。メンタル不調者を早期に拾い上げる会社側のシステム作りも重要です。毎朝の朝礼や定期的なミーティングはもちろん、オンライン上で雑談や飲み会の場を設けるのもいいかもしれません。

今日、あなたは誰かと話しましたか? 今、孤独を感じていませんか? リモートワークをしている方は、時々自分に問いかけてみてください。そして、もし不安を抱えていると感じたら、独りで抱え込まずぜひ誰かと繋がってみてくださいね。

教えてくれたのは

「医療法人社団藤和会あんどう内科クリニック」院長 安藤大樹先生

岐阜市にあるあんどう内科クリニックの院長。日本プライマリ・ケア連合学会指導医、日本心療内科学会登録医、日本医師会認定産業医。『医療よろず相談所』をコンセプトに掲げ、生活習慣病、感染症、内分泌疾患、膠原病などの内科系疾患はもちろん、ストレスからくる心の不調にも対応。

元記事で読む
の記事をもっとみる