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借金を抱えたまま亡くなるとどうなる?知らずに相続した遺族は……

  • 2021.12.6
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借金を抱えたまま亡くなったとき、返済はどうなるのでしょうか。本人が亡くなったことで借金が帳消しになり、遺族の負担なしで済むこともありますが、なかにはそうならない場合も……。Aさんのケースを見てみましょう。

■亡くなったあとに借金が発覚!

Aさんの夫はある日突然、脳梗塞で倒れ、そのまま50代の若さでこの世を去りました。Aさんは驚きと悲しみにくれながらも、葬儀や死亡届の提出など各種手続きを進めました。

しばらく経って落ち着いてきたある日、夫あてに見覚えのない封筒が届きます。中を開けてみると、なんと消費者金融からの督促でした。夫は生前、Aさんが知らないうちに200万円近い借金を抱えていたのです。

びっくりしたAさんは、あわててその消費者金融に電話して、本人が亡くなっていることを伝えました。ですが、担当者から「返済する義務がある」と説明されてしまいます。

Aさんはその後「相続放棄」という方法を知りましたが、その時にはすでに手遅れで、結局は借金を引き継ぐことになりました。

■借金があっても困らないケースは?

もし亡くなった人に借金があったとしても、相続の開始があったことを知った日(通常は死亡日)から3ヵ月以内で、遺産に手をつけていない状態であれば「相続放棄」も選択できます。相続放棄とは、亡くなった人の財産を一切受け継がない代わりに、借金も帳消しにできる制度です。

ちなみに、住宅ローンも借金ですが、これはローンを組んだときに加入している団体信用生命保険(団信)でまかなえることが多いので、残りのローンを遺族が全額負担するということにはなりにくいでしょう。

■お金のことは常にクリアにしておこう

借金の有無や金額は、家族間で常に情報を共有しておくのが理想的です。家族に内緒の借金があると、もし突然亡くなるなど予想外のことが起きたときに困ってしまうかもしれません。

また、家族が亡くなったときに相続の手続きを失敗したり遅れたりすると、Aさんのように借金をそのまま引き継ぐことになる可能性もあります。

住宅ローンの団信や相続放棄など、借金の負担を引き継がないためのしくみもあります。亡くなった人の借金が発覚して困ったら、相続に詳しい弁護士などの専門家に相談してみるのも1つの方法です。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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