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音楽「Making Love」 宇多田ヒカル:やさしい気持ちになれる、心がふっと温かくなる珠玉の名作選Vol.10

  • 2021.12.2
音楽「Making Love」 宇多田ヒカル

別離の悲しさよりも相手の幸せを願う穏やかで静かな休日

宇多田ヒカルの4thアルバム『ULTRA BLUE』

昔から宇多田ヒカルの曲を聴いていると、頭の中に何かしらの情景が浮かぶ。

アップテンポな曲調に乗せて、休日の昼間のワンルームで、主人公が誰かのことを考えている静かな時間が脳裏に浮かぶのがこの曲だ。印象的なのは、引っ越してしまったその誰かとの別れを惜しむ悲しさや寂しさよりも、相手のこれからの幸せを真っすぐに願っているような歌詞。

そして最後に出てくる“私を慈しむように〜”のフレーズからは、「別離は事実だけど、記憶が自分を慈しんでいるから大丈夫」と伝えるようなやさしく強かな別れのメッセージを感じる。メロディの向こう、そっと流れる2人だけのピアノ曲を想像させる。

私を慈しむように
遠い過去の夏の日の
ピアノがまだ鳴ってるのに もう起きなきゃ

「Making Love」より

談・ミヤギフトシ

Information

「Making Love」 宇多田ヒカル

2006年発売の宇多田ヒカルの4thアルバム『ULTRA BLUE』に収録されたエレクトロポップ曲。大阪に引っ越すことになった友人への実際の思いを歌詞に投影した。ユニバーサル ミュージック/¥3,204。

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